REIT
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2014年11月にJ-REITの時価総額は初めて10兆円を超えた、投資法人の銘柄数も2015年5月末時点で51件になった。銘柄数が増えていく中で、投資家にとっては投資先のバリエーションが増えた一方、どのREITに投資すればいいのか判断を迷うことも多くなってきた。投資家は提示される目論見書の情報で投資先を判断しなければならない。一般的に目論見書は細かい数字も羅列されており、分かりにくい。そこで、目論見書のどの部分を見れば、概ねREITの良し悪しが分かるのか、アセットタイプ別に読み方を見ていきたい。


NOI利回りは何%か

まずは、どのアセットタイプにも共通する事であるが、最低でもネットオペレーティングインカム(NOI)利回りとREITのスポンサー企業は確認しておきたい。NOI利回りは5.5%が1つの目安だ。最近では日銀の超低金利政策に引きずられて分配金利回りも低下しているため、優良でも5.5%を下回っているREITも多くなってきた。NOIには減価償却費を含んでいるため、実際の配当は減価償却費を控除した残りの利益が配当原資だ。今後金利の上昇リスクも勘案すれば、利回りを5.5%以上を確保しているREITが望ましいと言える。


スポンサー企業はどこか

スポンサー企業の存在は重要である。投資法人が成長していくためには、収益物件の購入が不可欠である。投資法人がマーケットの中で物件を購入するとなると、競争が激しく、良い物件は価格が高くなってしまう。結果、REITの利回りを低下させることになる。そのため、通常、REITはスポンサーとパイプライン契約を結び、随意契約で良い物件を適正価格で購入できる仕組みを取っている。すると、投資法人の実力はスポンサー企業の実力に比例する関係にある。有力なスポンサーが背後にあるREITは安定的に成長できる可能性が高いため、投資判断の1つの基準になる。


オフィスの注目ポイント

次にアセットタイプ別に見るべきポイントは確認したい。どのアセットタイプもポートフォリオ構成に注目して欲しい。まずはオフィスであるが、オフィスREITで重要なのがポートフォリオのエリア構成である。賃貸需要の高い都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区)の物件をいかに多く持っているかが重要だ。オフィスの場合、築年数は平均20年程度であれば問題ない。加えてワンフロアの専有面積が200坪以上のビルも多いことが重要である。物件一覧の中に、自分の知っている有名なビルが入っているかどうかを確認してみるのも良いだろう。


住宅の注目ポイント

住宅も物件のエリアが重要で、23区内に7割程度物件を保有していることが望ましい。住宅の場合は築年数が入居者確保に影響を及ぼす。そのため平均築年数は最低でも10年以内が1つの目安だ。間取りもファミリーは少なく、ワンルームが多い方が良い。


商業の注目ポイント

注目したいのはテナント銘柄だ。イトーヨーカドーやイオン等の地域の核となる大型商業施設が組み込まれていると良い。郊外型の店舗も多いため、立地は三大都市圏に集中していれば特に問題ない。また商業の場合、賃料形態が固定か歩合かに分かれる。配当の安定性を考慮すると、固定賃料の形態が多い方が望ましい。


物流の注目ポイント

物流についても立地は郊外となるが、首都圏に多く持っている方が良い。物流の場合、3万㎡超のメガ倉庫をどれだけもっているかも重要だ。またテナントも重要で、日本通運や佐川急便等の大手物流会社が借りていると安定感は増加する。


ホテルの注目ポイント

ホテルは需要が伸びているビジネスタイプを多く所有していることが望ましい。エリアも東京と京都に多く所有していることが理想的だ。京都は外国人観光客が多く、ビジネスホテルの不足が続いている。またオペレーショナルアセットの代表格でもあるので、ホテル運営者もしっかり確認したい。


もう一度目論見書を見直してみよう

以上、目論見書の見方の概要を述べた。アセットタイプ毎に見るべきポイントは少しことなる。気になるREITがあれば、もう一度、目論見書のポートフォリオ構成を眺めなおしてみてはいかがだろうか。