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(写真=リフォーム産業新聞)


「低度なエラー」改善で業務効率化を

ダンドリワークス 加賀爪宏介社長

【 Profile 】
リフォーム会社の経営を行う傍ら建築業向けクラウド型情報共有サービス「ダンドリワーク」を開発。2013年5月には同サービスの提供会社として「ダンドリワークス」を設立し、リフォーム会社の生産性向上、クレーム減少に取り組む。


利益の垂れ流しの理由

住宅業界の「業務効率を上げる」とは言い換えると「ヒューマンエラーの削減」だと思っております。しかも問題なのは「高度なエラー」ではなく、「低度なエラー」の積み重ねで、利益の垂れ流しが起きていることです。

住宅業界は一つの「商品」を「現場」で「たくさんの」人で作り上げるものです。しかも基本的には、「複数社」で、少なくとも数人、多ければ30人以上で一つの商品を現場で長い期間をかけて作る。こういう業務フローです。

一般的に今日の業務の効率改善をしようと思えば、テーマは「IT化」になります。ですが、IT化が一概に業務効率化につながるかというと、そうではありません。

住宅業界でのIT化は主に経営者および役員・幹部といった方々が進めていくのですが、その際のテーマは「管理」です。〇〇管理ソフト。〇〇管理システム...。簡単に言うと「高度なエラー」を何とかしたい、という思惑のIT化しか進んでいなかったように思えます。

確かに住宅業界は奥が深く、習得する知識・技術は多岐に及びます。ですから、漏れなく追客できる営業管理、よりクオリティの高い現場作りなどをITで解決しようという取り組みばかり。

これも必要ですが、効率化につながるかというと、3-1+1のような計算式になっている部分も...。3ある業務からIT化で-1、ですがそのITを使うためにPCの前でかなりの作業+1、あくまでも業務効率化というのであればこの計算式かと思います。


意外に気付かれない原理

住宅業界の業務効率化を本当に進めるなら「低度なエラー」を改善するほかにないと思います。FAX・電話等で起こしてしまう低度なエラー「あれ?言いましたよね?」「FAX送りましたよね?」。

分かりやすくまとめるなら「工務の低度なミスが職方に反映され、気付けば手直しや出戻りを引き起こし、クレームの引き金になり営業に打撃が生じる」。この低度なエラーをなくすことができれば、高度なエラーもなくせます。この原理に気付けるかどうかです。

個人的な主観がメーンの意見ですが、住宅業界の業務効率化が他の業界より進む速度が遅かった理由は、Bをやる前にAだったということです。この業界の根底にある「働く時間が長い」等の劣悪な労働環境。その改善策のため「低度なエラー」をなくしていく。その後に他の部分の改善が初めて効果を出してくるのかと思います。

そんな「低度なエラー」をなくすことが可能になるのが弊社の現場コミュニケーションツール「ダンドリワーク」です。少し宣伝しました(笑)。これが全てではないですが、要因の一つでしょう。(提供: リフォーム産業新聞 6月30日掲載)

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