アジア新興経済
(写真=PIXTA)

◆実体経済

生産面の伸び率(前年同月比)の動きを見ると、3ヵ月・6ヵ月平均を下回る国・地域が多いなど鈍化傾向が見られる。

インドネシア(5月)は同+8.2%と堅調に推移し、マレーシア(5月)は同+4.5%と鉱業や輸送用機器を中心に堅調を維持した。一方、タイ(6月)は同▲8.0%と内需型や輸出型産業が揃って低下し、フィリピン(5月)は同▲3.1%と木材・木工品や靴・衣料品の減少でマイナスに転じた。

◆インフレ率

6月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、年明け以降の原油価格の底入れを受けて下げ止まる傾向が見られた。

インドは同+5.4%と2月末から4月にかけて見舞われた季節外れの大雨の影響を受けた食料品の高騰で上昇した。またインドネシアは同+7.3%、マレーシアは同+2.5%とラマダン(断食月)の開始日の前ずれで食料を中心に上昇した。

◆金融政策

7月は、韓国・マレーシア・インドネシアの中央銀行で金融政策会合が開かれた。全ての会合で政策金利は据え置かれた。

(7月の注目ニュース)
-韓国・台湾:2015年4-6月期GDPを公表(23日、31日)
-台湾:洪氏が総統選の国民党公認候補に決定(19日)
-マレーシア:1MDBに関する汚職問題で内閣改造(28日)


8月の主要指標

8月は、マレーシア(13日)・タイ(17日)・インドネシア(5日)・フィリピン(27日)・インド(31日)で2015年4-6月期のGDPが公表される。

マレーシアは原油安やGST導入前の駆け込み需要の反動の影響、タイは10-12月に底入れした景気の回復傾向が続くか、またインドは安定したインフレ率が続く中で消費が堅調を維持するかに注目したい。