(写真=PIXTA)
FX初心者の方にまず知っておいていただきたいのは、各国の通貨はそれぞれ個性を有することだ。個性とはつまり為替レートの変動ずる要因がそれぞれの通貨で少し違ってくるということ。ここを抑えずに好き勝手に通貨を取引すると、思わぬ変動が起きた際に、原因もわからずに損失を出してしまうことは多々ある。
本稿では、7つの通貨に焦点を当てて各国の通貨特徴の概要を紹介していきたい。
抑えておきたい7つの通貨
<<アメリカドル>>
アメリカドルは、アメリカにおいてのみ使用されているのではない。通貨の異なる二国間で輸出入が行われるとき、アメリカドルで取引が行われることが非常に多い。例えば、日本と韓国で輸出入ビジネスを行う場合に使用する通貨は、日本円や韓国ウォンをイメージされるかもしれないが、大抵の場合がアメリカドルで決済を行う。つまり、アメリカドルの強さに、異なる二国間の輸出入が影響を受けてしまうのである。
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【各国為替の特徴】基軸通貨・米ドル(USD)とは
<<ユーロ>>
ユーロ圏でのドイツの存在感は非常に大きく、動向からは目が離せない。欧州中央銀行(ECB)による通貨政策や、経済規模の大きいドイツやフランスの要人発言、ギリシャ問題でも見て取れるように、ユーロ圏内の経済・財政状況がユーロの為替に大きく影響を与えることは頭に入れておきたい。
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【各国為替の特徴】ギリシャで揺れたユーロ(EUR)とは
<<ポンド>>
世界中で取引される通貨量として世界第4位のポンドだが、かつては基軸通貨として流通していた。しかし、戦後アメリカの為替が不安定で先進国通貨の中でも一日の変動の幅が大きいことで知られている。取引量の多さと変動の幅の大きさで、不安定な通貨であるので長期保有には向かないと判断する投資家も多い。
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【各国為替の特徴】かつての基軸通貨、ポンドとは
<<円>>
経済大国でもある日本の通貨「円」は信頼性が高く、「有事の円買い」とも言われるように、テロや疫病などの地政学的リスクが発生した際には円が買われるとされている。大抵の国で換金可能なことも、円が世界的に評価されている証拠の1つだ。各国が金融危機を迎えると、その国の通貨の代わりに日本円が買われることも往々にしてあるので、円高の一因となることを覚えておきたい。
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【各国為替の特徴】黒田バズーカで120円を達成した日本円の特徴
<<オーストラリアドル、オージー>>
中国などの経済的な発展が著しい国では、国家レベルでの資源調達が行われる。中国の経済成長が資源の需要、つまり資源国の為替の上昇に大きな影響を与えているのだ。オーストラリアドルなどの資源国の為替レートを見る場合は、資源、すなわちモノを作る原料を求めている国の動向も把握する必要があるのだ。
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【各国為替の特徴】資源国通貨の代表格、オーストラリアドルの特徴とは
<<ニュージーランドドル、キウイ>>
オーストラリアドルの影響も多分に受けるため、オーストラリアドルを左右する金の価格やオーストラリアの物価もニュージーランドドルの変動要因と言えるだろう。そして、一番の貿易相手国はオーストラリアであるが、二番目の貿易相手国は日本である。日本の景気や貿易収支もニュージーランドドルの変動要因の一つだ。もちろんニュージーランドの経済指標にも大きく影響を受ける。ニュージーランドの雇用統計や国内総生産などの経済指標にも注意したい。
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【各国為替の特徴】オーストラリアの兄弟分、ニュージーランドドルの特徴
<<カナダドル>>
カナダドルが為替の優等生とも言われるのは、カナダが先進国の中で唯一貿易収支も財政収支も黒字であることが理由だ。そのダブルの黒字に支えられ、資源国としての側面を持ちながらも物価に左右されにくい安定した通貨として存在することができているのだ。そのため、カナダドルを安定資産として長期保有する投資家も多い。
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【各国為替の特徴】安全資産国通貨のカナダドルの特徴とは
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