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チョコだけじゃない、 日本人女性起業家が見たリアルなガーナ(6)

日本企業の東南アジア市場進出が珍しくなくなった現在でも、日本企業がほとんど踏み出さない地がある。それが最後のフロンティア「アフリカ」。まだまだ貧しい小さな市場で、リスクを犯してまで進出する価値がないと判断する日本企業が多いのが実情だろう。果たしてそれは真実だろうか?

オランダのビジネススクール卒業後、企業のバックアップなしに飛び込み、ガーナ初のオンラインファッションストアを設立した日本人女性起業家が、正攻法ではいかないからこそ、中小企業にもチャンスがあるアフリカビジネス最前線の模様と共にガーナの現状をお伝えします。

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ゆっくりと拡大するアフリカのeコマース市場

値札がなく、対面で価格交渉しながら現金をやり取り。今も変わらないアフリカビジネスの基本だ。だが、そんな慣習にもeコマースの参入により少しずつ変化が始まっている。

アフリカでeコマースの将来性にかけ、 いち早く参入したのが 南アフリカのメディアグループ『Naspers』である。1998年、まだ南アフリカのインターネット普及率が5%弱だった時に、同国初のオンラインショップ『Kalahari.com』を設立。以降、年30%の成長を続ける南アフリカのeコマース市場において拡大し、2012年には49名だった従業員数が120名にまで増えている。

南アフリカや、東アフリカのケニアに比べ、遅れをとっていた西アフリカも、ナイジェリアからeコマース革命が始まった。仕掛人は、ベルリンを拠点とする世界最大急のインターネット・インキュベーター『Rocket Internet』だ。

同社が7,500万USドル(約90億円)を出資する『Jumia』 は2012年6月に設立された。現在では、1,000名の従業員と、スタジアムサイズの倉庫を抱え、ケニア、モロッコ、コートジボワール、エジプト、南アフリカで事業展開している。まだ利益こそ出ていないが、月間数億円の売上をもたらしているという。

ガーナのeコマース市場は、ナイジェリアよりも少々遅かった。

2013年4月、スウェーデンの『Kinnevik』が、無料で売り手と買い手が情報を提供でき、実際の金銭取引は当人同士がオフラインで行うクラシファイドサイト、『Tonaton.com』 (現地語で、売買の意味)をローンチした。

取り扱い情報は、携帯電話、車、完成、未完成の家から、人毛、ペットのお見合い相手まで多岐に渡る。『Tonaton.com』は巨額な資本をTVやラジオ広告などに投下し、一気に認知度を高めた。今ではガーナ人の新たなショッピングツールとして浸透している。

また、先ほど述べた『Rocket Internet』は、アマゾン に類似した『Kaymu』、タクシーアプリ『EASY TAXI』、不動産マーケットプレイス『Lamudi』などその他複数のサイトをガーナで運営している。

関係者の話では、これら欧州大手のインキュベータや投資銀行にバックアップされたプラットフォームは、広告費だけで、毎月数千万円近い金額を 注ぎ込んでいるという。 まだ投資が先行しており、利益を出しているウェブサイトはないが、『Internet World Stats』によると、2014年末時点で、ガーナのインターネットユーザーは、人口の19.6%、500万人超に達し、今後も続伸する見通しだという。