マコラマーケット
アクラの中心にある一番大きい市場「マコラマーケット」

日本企業の東南アジア市場進出が珍しくなくなった現在でも、日本企業がほとんど踏み出さない地がある。それが最後のフロンティア「アフリカ」。まだまだ貧しい小さな市場で、リスクを犯してまで進出する価値がないと判断する日本企業が多いのが実情だろう。果たしてそれは真実だろうか?

オランダのビジネススクール卒業後、企業のバックアップなしに飛び込み、ガーナ初のオンラインファッションストアを設立した日本人女性起業家が、正攻法ではいかないからこそ、中小企業にもチャンスがあるアフリカビジネス最前線の模様と共にガーナの現状をお伝えします。

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「NO」と言えないガーナ人

ガーナでビジネス…なんて、まったく想像がつかないと言う日本人は多い。お給料はどうやって渡すのか?雇用契約書はあるのか?社会保険は?なんて質問をされて、むしろ面食らうことがある。

ガーナでのビジネスを一言でまとめて語ることは難しい。まずは、「フォーマルセクター」「インフォーマルセクター」にわけて考える必要がある。ガーナでは、銀行口座を持つ人は、およそ人口の3割と言われており、この層が「フォーマルセクター」に属する会社員になる。つまり会社員という職種は、人口全体で見れば少ない。オフィスワーカーの生活は、あまり日本と変わらない。給料は銀行振込で受け取り、スーツを着て出社する。雇用契約書も、社会保険もある。

一方「インフォーマルセクター」は、 大工、電気工、車の修理工などの職人、農家、漁師や頭に物を乗せて、路上で売る行商人など、専門的で個人的な商売をしている人たちで構成されている。現金のやり取りが主で、 統計調査が及ばず、税収も難しく、実態を把握するのが困難なビジネスセクターである。