5稿_4ゲイシャ缶 サバのトマト煮缶「ゲイシャ」

日本企業の東南アジア市場進出が珍しくなくなった現在でも、日本企業がほとんど踏み出さない地がある。それが最後のフロンティア「アフリカ」。まだまだ貧しい小さな市場で、リスクを犯してまで進出する価値がないと判断する日本企業が多いのが実情だろう。果たしてそれは真実だろうか?

オランダのビジネススクール卒業後、企業のバックアップなしに飛び込み、ガーナ初のオンラインファッションストアを設立した日本人女性起業家が、正攻法ではいかないからこそ、中小企業にもチャンスがあるアフリカビジネス最前線の模様と共にガーナの現状をお伝えします。

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ガーナで人気、ネスレのミロ

ガーナ人はやはりチョコレートばかり食べているのだろうか?こんな疑問も湧くが、チョコレートは実は、もっぱら輸出専用。他の国と比べ、格段多くのチョコレートを食しているわけではない。

都市部では、幹線道路脇に 食べものなどを乗せた売り子がウロウロしており、この中にはチョコレートを販売する売り子もいる。ガーナの 炎天下でも溶けないチョコレートは、カカオマスが強く、滑らかな口溶けからはほど遠い。本当のガーナチョコレートは、あまり美味しくないというのが正直なところだ。

チョコレート以上にガーナの食卓に馴染んでいるのは、ネスレのミロ。ガーナのカカオを使い、ガーナ国内の工場で生産しているため、海外ブランドというより自国ブランドとして捉えているガーナ人も多い。朝食の席に並ぶミロと食パンは、ガーナのB&Bの定番でもある。

ネスレは、1957年から、ガーナでのビジネスを開始し、現在では1,000名以上を雇用。ガーナで生産された製品は、西アフリカの各国に輸出されている。

では、一般的なガーナ料理とは、どんなものだろうか。

まず、ガーナ版料理の「さしすせそ」が、唐辛子、紫タマネギ、ニンニク、ショウガ、塩、トマトだ。どんなガーナ料理にも欠かせない基本具材といえよう。これらは、街角のいたるところにあるキオスクでも購入できることが多い。これらの具材から推測できるように、ガーナの料理は香辛料が効いていて、味がはっきりしている。ワンプレート料理で、見た目はそそられにくいものの、美味しさには定評がある。


ボリューム満点、ガーナの食文化

主食は、ライス、プランテーン(形状は大きいバナナのようだが、生食には用いない)、フフ(臼杵で、主にキャッサバとプランテーンから作られるお餅のようなもの)、バンクー(トウモロコシの粉を練って作るマッシュポテトのようなもの)、ケンケ(トウモロコシの粉を発酵させて練ったもの)、ヤムイモ(茹でたり、揚げたり)、ガリ(乾燥キャッサバを砕いたもの)。他に、カッペリーニなどの細めのパスタを、焼きそばのようにヌードルとして食している。ロングパスタをマカロニというので、外国人にはややこしい。

これらの主食は、たいてい副菜との組み合わせが決まっている。フフは、ヤギの肉や魚などが入ったトマトベースの辛いライトスープ、グラナッツスープ、オクラの入ったオクラスープなどのスープと一緒に食す。水が入ったボウルが食事前に運ばれ、その水で手を洗い、手でフフを適切な大きさに丸めて、スープを絡めて食べる。スプーンですくうより、スープがフフによく絡まってより美味しいのだが、熱々のスープを手で食べるにはちょっとしたスキルが必要だ。