(写真=PIXTA)
不動産投資を行う場合、投資の期間は長期にわたりますので、その間に賃料がどれだけ安定するかを事前に予測することは極めて大事です。しかし、一方で、将来の賃料を予測した情報はあまり提供されていないのが実情です。
リーウェイズでは1,500万件以上の不動産データを統計的に処理することで、駅ごとの賃料動向を把握しています。今回は、分析の一例として、東京23区内のシングル向け物件を対象に、賃料が安定している駅エリアをご紹介します。
東京23区の賃料動向
まず初めに、東京23区にある駅全体の傾向を把握します。それが以下の図です。
東京区部エリアでは、新築から築5年までの賃料単価の平均は3,968円です。これが経年によって賃料単価は徐々に低下していきます。築26年から30年までの5年間の平均は、3,347円です。30年にわたる賃料の下落率は、およそ15.6%になります。
傾向としては、築10年までは賃料はおおむね横ばい、それ以降の築30年までは緩やかに低下し、築40年を超えるあたりから下げ止まりが見られます。
駅ごとに賃料動向は異なります
駅ごとに詳細に見ていきますと、賃料の低下が大きな駅エリアもあれば、賃料の低下が緩やかなエリアもあります。東京の中で賃料の低下が緩やかなのは、「谷根千エリア」「新富町エリア」「浅草エリア」などです。
谷根千エリア
谷根千エリアは駅では日暮里、根津、千駄木駅になります。このエリアは下町風情の残るエリアで、近年では外国人観光客もよく訪れるスポットになっています。
谷根千では昔懐かしい駄菓子屋さんも健在です。
賃料の動向としては、築年による賃料の低下があまり見られないのが特徴です。賃料の下方硬直性があり、長年にわたって安定的な賃料収入が期待できます。
谷根千エリアの相場賃料を分析すると、新築から5年の賃料単価が3,649円、築26年から30年の賃料単価が3,506円で、経年による賃料下落率は-3.9%です。
新富町エリア
新富町エリアは新富町、八丁堀、築地駅近辺のエリアです。東京駅に近く、都心にあって利便性の高いエリアです。新富町エリアのある中央区は、都心回帰の流れを受けて人口も増えています。そのため賃料も底堅さが見られます。
新富町・築地にある有名料亭です
新富町エリアの相場賃料を分析すると、新築から5年の賃料単価が4,341円、築26年から30年の賃料単価が3,993円で、経年による賃料下落率は-8.0%です。
浅草エリア
浅草エリアは浅草、蔵前、押上駅で集計しました。都心の東側に位置し、古くからの歴史のある地区です。浅草寺をはじめ外国人観光客を引き付ける魅力のあるエリアです。また、押上駅は東京スカイツリーの最寄駅として近年は注目を集めています。
押上駅に近接する東京ソラマチ
浅草エリアの相場賃料を分析すると、新築から5年の賃料単価が3,656円、築26年から30年の賃料単価が3,241円で、経年による賃料下落率は-11.3%です。
賃料のエリア特性を把握して投資
今回ご紹介した3つのエリアは東京の東側ばかりでした。不動産投資というと都心の南側や西側に目が向くことが多いのですが、データを丹念に見ていくと賃料の下がりにくいエリアを都心の東側に見つけることができます。今回はご紹介できませんが、同じようにデータを丹念に見ていくと、物件価値の下がりにくいエリアも見分けることができます。
不動産の投資は、購入するときの金額とその時の表面利回りに目が向きがちですが、長期間保有することを考えると、賃料の安定性という要素も考慮に入れる必要があるでしょう。(提供: Leeways online )
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