2015年度上半期ビジネス関連ニュース
(写真=Getty Images)

為替、株式投資について見てきた上半期の10大ニュース。今度は広くビジネス関連の出来事を振り返ってみる。新製品の発売など前向きなニュースがある一方、一部の企業や産業にとっては厳しい時期だったこともうかがえる。


10位 Pepper発売、将来のロボット事業拡大への第一歩

ソフトバンクロボティクスの感情認識人型ロボットPepper(ペッパー)が6月、発売された。ソフトウエアで人工的に作られた自身の感情を持ち合わせており、人間の悲しみや怒り、喜びなどもの感情をさまざまなセンサーやカメラを通して読み取ることができる。

本体価格は19万8000円(税別)、クラウド上の機能を利用するための「基本プラン」や修理サービスを提供する「保険パック」を含めた3年間の契約料金合計は100万円以上になる。

これらを元に試算すると、3年での売上は合計約39億円になる。ソフトバンクがPepperの開発元であるフランスAldebaran Robotics社に出資した金額は1億ドルと言われているので、投下資金の回収にはまだ時間がかかる。

人型ロボットの利点や将来性、ビジネスの可能性ついて懐疑的な声が多いが、ソフトバンクは長期的展望に立っており、すでに中国のアリババや台湾のフォクスコンの出資を受けることで合意している。ロボット事業を世界に拡大することを視野に入れており、Pepperを計画実現のための第一歩と位置付けている。


9位「Apple Watch」4月に発売 期待ほど売れず

Apple Watch(アップル・ウオッチ)が4月、発売された。Appleファンには熱烈に歓迎されたものの、販売数量は当初の計画よりも下回っているらしい。Appleティム・クックCEOは「iPhoneも初めは大成功とは言われなかったが、その後の大ヒットは誰もが知っている通りだ」と語っているが、アップル・ウォッチも現時点では大成功とは言い難い。

機能の多くをiPhoneに依存しておりり、現状では通知やメッセージなど機能が限られているためほとんどのiPhoneユーザーにはそれ以上の大きなメリットがないことが、その理由として挙げられている。

可能性を秘めたデバイスであることは間違いないが、現状ではまだまだ発展途上だ。だがiPhoneがそうであったように、今後サードパーティ製のネイティブアプリ(アップル・ウォッチ上で完全に動作する)が充実し新たな使い方のアイデアが生まれ、新たな顧客層を獲得できる可能性はある。


8位 シャープの赤字転落、経営再建なるか?

経営再建中のシャープが通期で再び最終赤字に転落した。昨年10月に発表した2015年3月期の決算見通しは、売上高2兆9000億円(前期比1%減)、営業利益1000億円(同8%減)、当期純利益300億円(同2.6倍)だったが、一転して300億円の最終赤字に転落。営業利益は前期比54%減の500億円と従来予想の半分だ。2期連続の営業赤字、営業キャッシュフローも赤字が常態化している。製品の価格競争力が著しく低下しているといえる。

シャープはスマートフォンやタブレット端末向けの中小型液晶パネルで先行し、米Appleや中国の新興メーカー向けの供給はシャープの独壇場だったが、競合メーカーのキャッチアップと中国スマートフォンメーカーのシャオミとの取引で価格交渉力が低下、採算が悪化した。

近年のシャープは液晶技術とその商品にこだわり「選択と集中」を試みたが、過当競争に陥ったテレビ用大型パネルの二の舞いになるのを避けるためにスマホ用の中小型液晶パネルに活路を見いだす戦略を取ったことが裏目に出た。

再建策としてポートフォリオの再構築、事業部制組織から5つのカンパニー制への再編を打ち出したが、他に主軸となる事業の見当たらない。当面、液晶部門という一本足打法を取らざるを得ない。


7位 マクドナルド、異物混入騒動と業績悪化

外食産業の雄といわれていた日本マクドナルドの2015年1−6月期の売上高が前年同期比29.5%減の852億円、連結最終損益が262億円の赤字で、2001年の上場以来、上期で最大の赤字となった。

中国の取引先による期限切れ鶏肉の使用や商品の異物混入など相次ぐ品質問題をきっかけに業績が急速に悪化した。カサノバ社長は「業績回復の起爆剤はメニューだ」と強調。北海道産のチーズや長野県産の巨峰など地域の名産品を使った商品など、「日本人の好みに合わせた」新メニューを投入している。しかし経営再建策計画の中核である不採算店閉鎖はなかなか進んでいない。

さらに経営改善まで体力の持たないFCオーナーの離脱、消費者顧客離れの加速によって業績がさらに悪化する懸念が依然強い。


6位 北陸新幹線開業 首都圏客による経済効果は212億円

3月14日、ついに北陸新幹線が石川県金沢市まで開通した。従来、東京から北陸地方へ向かう鉄道ルートは、上越新幹線で越後湯沢方面へ大きく回り、そこから特急「はくたか」に乗り換えるのが最速だった。7年に部分開業していた長野新幹線が延長して、長野から金沢へ至るルートが開通したことで、従来の東京─金沢間の3時間47分から2時間28分へと一気に短縮。首都圏から北陸地方へのアクセスが飛躍的に向上した。

整備新幹線は巨額の建設費のために政争の具となり「造る必要はあるのか」と批判の対象にもなってきたが、日本政策投資銀行北陸支店の試算によると、1都3県から観光・ビジネス目的の旅行客が石川で年32万人、富山で21万人増え、宿泊費や飲食費を含めた経済効果は両県合計で212億円にのぼると見られる。

製造業の進出による経済・雇用創出効果も期待されている。液晶大手のジャパンディスプレイは金沢市に隣接する白山市に新工場を建設し、iPhone用液晶パネルを製造する。また建設機械大手のコマツは石川県小松市に本社機能を一部移転させている。