航空機
(写真=Thinkstock/Getty Images)

今年1月に実施された相続税の引き上げを背景に、日本型オペレーティング・リース(JOL)への注目が集まっている。

JOLは、航空機、船舶、コンテナやプラント設備などの大型物件に広く用いられているリース契約で、将来の中古市場で販売が容易な汎用物件を対象にしている。リース会社が将来の中古価値を負担するので、その分ユーザーは割安なリース料で物件の使用が可能になる。

このJOLだが、投資家にとっては税金対策になっている。投資家(法人)は、匿名組合を通じて物件を購入しユーザーにリースするのだが、初期はユーザーから受け取るリース料より、減価償却費が大きく赤字となる。

そのためリース初期においては、法人が本業で得た利益とリースで発生した損失を相殺し、法人税を減らすことで税の繰り延べが可能となっている。また、利益を圧縮し自社株の評価を引き下げることができるため、同族会社のオーナーなどは相続・贈与対策としても活用できる。

航空機や船舶などは、金額も大きいうえに、減価償却のサイクルが早く節税効果も高いことから富裕層から注目されているのだ。


堅調なJOL市場

2008年のリーマンショックによる金融危機の影響を受けて、JOLの市場規模は同年下期から2009年にかけて大きく落ち込んだが、その後は徐々に回復、2014年度には約2000億円となるなど堅調に推移している。

LCCの増加により市場の成長が見込まれている航空機ファイナンスは、国内外でも高い注目を集めている。そうしたなか、JOL関連企業も堅調に成長している。2010年9月にJASDAQに上場したFPG <7148> は、すでに2012年には東証一部に昇格している。

また、JOL関連企業と言えばジャパンインベストメントアドバイザー(JIA) <7172> も注目すべき企業だ。JOLを柱に、M&Aアドバイザリー事業、プライベート・エクイティ(PE)投資事業、ウェルス・マネジメント事業など、多様な金融ソリューション事業を展開している同社は、2014年9月に東証マザーズ市場に上場。知名度が増した結果、資金調達力を大きく伸ばしている。2015年12月期上半期では、同社のオペレーティング・リース事業の出資金販売額は67億3600万円(前年同期比 11.2%増)と好調に推移している。

同社は9月17日に、新たに船舶を対象としたオペレーティング・リース事業の開始について発表し、法人実効税率の引き下げ期待にともない旺盛とされる投資家需要に応えている。


多様性に強みを持つJIA

JIAの注目すべき点は、JOL以外にも多様な分野に強みを持つことだろう。

例えば、航空機や、コンテナ市場が世界景気や為替に影響されやすいなか、環境エネルギー分野にも力を入れている。2014年には環境エネルギー事業として、円ベースの太陽光発電事業のファンドを組成し販売している。

今年5月には蓄電システムにノウハウを持つLEシステムとの資本業務提携を発表した。LEはバイオマスプラントのコンサル設計を行っており、九州のプラントの多くに係わっている。9月28日には、アジアを中心に新興国でエネルギー事業を展開する「あすかグリーンインベストメント」との資本・業務提携を発表している。

また新規事業としては、8月に日本證券新聞社および日本日本證券新聞リサーチの全株式を取得して子会社化することを発表した。メディア関連事業、およびIR支援事業に進出する。

今年8月に同社が発表した資料によるとオペレーティング・リース市場の規模は、今年度末に2,500億円程度になると推測しているとのことで、現状同社のシェアは、10%程度だが、早期に20%程度まで伸ばしていくとのことだ。

主力のオペレーティング・リース事業が好調なさなか、積極的に成長戦略を推し進める同社の今後に注目したい。(ZUU online 編集部)

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