エルエリアン氏移籍流出問題による不当な汚名

投資家に与える影響を恐れた経営陣は、正式発表までエルエリアン氏の退任が外部に流出しないよう、社内に厳戒態勢をしく。しかし英フィナンシャル・タイムズのジャーナリストだったアンディー・ボールCIOが数社の出版社に情報を漏えいしたことにより、グロス氏がその汚名を着せられるという不名誉な事件に発展した。

「情報漏えい事件の汚名は後の調査で晴らされたものの、ダグラス・ホッジCEOとジェイ・ ジェイコブズ社長はグロス氏にとって不名誉な疑惑を利用し、グロス氏解雇の動きに拍車をかけた」

訴状の中ではほかにもダニエル・アイバシンCEOなどが名指しで「共謀者」としてあげられている。


「経営陣は投資家から集めた資本で自らの懐を肥やすことしか頭にない」

グロス氏は「PIMCOを支えた40年間、投資家に還元する利益を追求してきたにも関わらず、独大手保険会社アリアンツ(親会社)に移籍したエルエリアン氏を含めた経営陣は、投資家から集めた資本を元に自らの懐を肥やすことしか念頭にない」と、PIMCO経営陣を厳しく批判している。

現在カリフォルニア州上級裁判所に陪審裁判を請求中だが、グロス氏は今回の起訴を通して、長年の貢献に対する金銭的な報酬はもちろん、世間からの信用も取り戻したいと考えている。また弁護士パトリシア・グレイサー氏を通して、「PIMCOに請求している慰謝料を慈善団体に寄付する」と宣言している。(ZUU online 編集部)

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