③専門用語の多さに萎える

ネット証券の口座開設時につまずく理由のひとつとして納税方法の選択が挙げられる。投資で利益を得た場合に、自分で確定申告をするか、証券会社に自分に代わって納税してもらうのかを選択するために「一般口座」「源泉徴収なしの特定口座」「源泉徴収ありの特定口座」から選択するのだが、違いが判らずここで断念してしまうことがあるようだ。初めて投資をするなら、面倒な確定申告が不要になる「源泉徴収ありの特定口座」を選択することをお勧めする。

口座開設した後にもハードルがある。株を購入しようとすると「成行」か「指値」の選択を迫られるが、まずこの意味を理解する必要がある。ネット証券では、サイト内で用語をわかりやすく説明しており、実際の取引をネット上のデモ画面で確認できるところもある。コールセンターを利用するのも手だ。商品・サービスに関する問合わせだけでなく、口座開設手続きなども教えてもらえるので、気軽に利用しよう。

④情報収集に苦労する

投資を始めるうえで情報収集はかかせない。来店型の証券会社では担当者から経済状況や税制度の変更などの情報を得ることができるが、ネット証券では自力で情報収集を行うこととなる。2016年は債券や公社債投信の税制も変わる予定だが、こういった情報を知っておくには日頃からアンテナを張っておく必要がある。

忙しく時間が取れないとの理由で、投資デビューをあきらめる人もいるようだが、ネット証券のサイトやアプリでは、株価情報、経済状況のニュース、投資情報レポートが提供されていることをご存じだろうか。スマホや携帯からも見ることができ、隙間時間に情報収集が簡単に行えるので、うまく活用していこう。

以上、4つのハードルと対処法について紹介してきたが、まず口座開設をすることが投資を始める第一歩となる。取引する証券会社を1つに限る必要はなく、いくつか口座開設したうえで、使い勝手や相性の良いところを探してみてはどうだろうか。

辻本 ゆか 「夫婦ふたりの暮らしとお金アドバイザー」CFP
1967年兵庫県生まれ。企業の経理部門に10年超従事。その後AFP・証券外務員1種を取得し大手証券会社・大手銀行にて個人向け金融商品の販売を経験。43歳の時に「乳がん」を発症。備えることの大切さを伝えるべく、2015年にFPオフィスMyHappinessを創業。現在、 FP Cafe 登録FPとして活躍中。