IPO,新規上場
(写真=PIXTA)

2015年11月4日、日本郵政 <6178> とゆうちょ銀行 <7182> 、かんぽ生命保険 <7181> の3社が同時に東京証券取引所へ上場した。 NTTドコモ <9437> 以来、17年ぶりとなる大型上場で 、各証券会社の口座開設に対する資料請求が前年度の数倍になり、ネット証券でも口座開設数が2倍となる現象が続いた。これら調達金額合計は、1兆4362億円(手数料控除前)に上る。政府保有義務が1/3超となっており、NTTやJT <2914> のように株式取引が初心者でも安心して買える銘柄だったに違いない。


IPO騰落率ワースト20

IPO株騰落率ワースト20。要注意業界は「医薬品」、最も安全なのは…?①

帝国データバンク「2012 年~2014 年IPO企業の業績動向調査」によると、IPO数 は2009年のリーマン・ショック以降、右肩上がりに活気を帯びている。

IPO株を買うメリットの一つに、公募額より初値が高騰し、すぐに利益を生むことが挙げられる。だが、残念ながら、全てのIPOがすぐに利益を生むわけではない。公募額より初値が低くなる銘柄もある。

2010年から2015年11月20日までのIPO308社うち、騰落率がマイナス、つまり、公募額より初値が低かった銘柄は56社あった。これは、全体の18%にあたる。さらに、ワースト20を表にまとめた。(業種はYahooファイナンス参照)

IPO株騰落率ワースト20。要注意業界は「医薬品」、最も安全なのは…?②

最も下落率が高かったのは、2011年10月に上場した、精密機器のスリー・ディー・マトリックス <7777> だ。同社は米国MITから取得した技術を応用した医療製品の開発を行っているバイオベンチャーであるが、公募額2100円に対し、初値が1200円と43%の下落率となった。この下落率は、東日本大震災発生直後の3月15日に上場したアイディホーム <3274> の37%を上回り2010年以降、最大の下落率と不名誉な記録を更新した。

バイオ関連IPOは「公募割れか、同値付近が定番」との声も多いが、IPO初心者は特に気を付けたほうが良いだろう。

バイオ関連株は要注意

ワースト20の業種の中で最も多かったのは、やはり、バイオ関連である「医薬品」で6社あった。6社の平均下落率は13%で、そのうち、最大下落率はリボミック <4591> とシンバイオ製薬 <4582> の20%だった。ちなみにワースト20の平均下落率は15%。下落したIPO銘柄56社の平均下落率は9%である。

「医薬品」6社のうち、株式分割したカイオム・バイオサイエンス <4583> とUMNファーマ <4585> を除く4社は、11月20日時点での株価と比較しても公募額や初値より更に下落している。(カイオム・バイオサイエンスは株式分割を行っているため、終値が495円であったが、2012年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合、2013年7月1日付に普通株式1株につき2株の割合で、また2014年4月1日付で株式1株につき2株の割合で株式分割を行っているため、495円の8倍として算出している)

また「医薬品」はIPO308社のうち15社で、全体の5%とあまり多くはない。だがこのうち約半数の7社が下落している。

「電気機器」の下落確率は86%

ワースト20で「医薬品」に次いで多いのは「電気機器」「食料品」だ。「電気機器」はワースト20に3社上がっており、平均下落率11%、「食料品」は2社上がっており平均下落率は12%であった。

「電気機器」の下落率は、2014年3月19日に上場したジャパンディスプレイ <6740> が最も高く15%。当社は官製ファンド傘下でソニー・日立製作所・東芝の3社の中小型液晶部門を統合して設立された。他に下落率10%のトレックス・セミコンダクター <6616> 、8%のダブル・スコープ <6619> と続くが、下落した6社の平均下落率は8%と平均より低い。

興味深いのはここからだ。「電気機器」は、上場7社のうち6社が下落していて、下落確率86%と非常に高い。こちらも、IPO初心者は、注意が必要だろう。

最後に、業種ごとに下落確率(下落社数構成比)を見てみると、下落確率40%以上の業種は次のようになった。下落確率(下落社数構成比)は、各業種ごとに上場した社数のうち、初値で下落した社数を割ったものである。

電気機器(IPO社数,7社)下落確率:86%
卸売(10社)60%
金属製品(2社)50%
電気・ガス(2社)50%
医薬品(15社)47%
精密機器(5社)40%
その他製品(5社)40%
化学(10社)40%

なお、この順位では「倉庫・運輸関連」(IPO社数1社,下落確率100%)を除いた。金属製品、電気・ガス(いずれも2社)など標本数が少ない業種もあるので参考にする際は注意してほしい。(ZUU online 編集部)

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