どんな法律に触れるのか どういう影響があるのか

これら仕手集団が行う手口により企業の収益力などから算出された、あるべき株価とは大きく逸脱してしまう。特に先述の「見せ玉」や「買い上がり」、「終値関与」といった手法は投資家の利益や市場の公平性を大きく損なってしまう為、金融商品取引法違反となり、金融庁にある証券取引等監視委員会による取り締まり対象となる。

投資家同士は公平であるべきで、資金力があるからと言って市場をゆがめてはならないということだ。

市場が公平、フェアでなければ投資家が逃げて行ってしまう。市場秩序を保つためにこれらの手法は認められていない。


仕手との違い アクティビストは否定されるべきものではない

旧村上ファンドはかつて「モノ言う投資家」、アクティビストとして市場に一石を投じた。今回、黒田電気においても投資家への配当性向の向上を掲げ、実際にその提案には40%が賛成した。

その意見に同意をする投資家も数多くいるのは事実である。上場企業として広く投資家より資金を集めながら、投資家軽視を行う企業が存在する事は否定できない。

アクティビストの存在は否定されるべき物ではなく、健全な企業経営においては一定のプレッシャーを経営陣に与える物であり投資家にとっては好ましい存在だ。

しかし仕手は違う。あくまで自らの利益が優先であり、また他の投資家に誤解をさせて株価操縦を行う者たちである。ただアクティビストのふりをした仕手も存在する。

この見定めは極めて難しく、結局は手法が合法か違法かで判断する他無いであろう。仕手は市場より排除すべきだがアクティビストは市場に増やしていかなければならない。

今月、急にニュースを騒がせた「仕手」という言葉。最近発生したものではなくバブル以前より行われている古くて新しい株価操縦、そしてまぎれもない犯罪だ。

自らが行わない事は当然であるが、仕手のカモとなってしまわないように、その様な投資家が潜んでいるかも知れないと注意しながら投資しなければならない。 (ZUU online 編集部)

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