(写真=PIXTA)

大証上場の新日本理化 <4406> の株価を不正に吊り上げたとして、仕手集団「誠備グループ」の元代表の加藤容疑者とその妻、大阪大学大学院助教授の長男の3人が11月17日、金融商品取引法違反(相場操縦)の容疑で東京地検特捜部に逮捕された。

加藤容疑者は、自身が率いる仕手集団「般若の会」が運営するWebサイトを通じて、新日本理化の株価を吊り上げる事を目的に風説の流布を行なうとともに、親族らに対して買い注文を断続的に発注するように「買い上がり」を指示した疑い。他銘柄と合わせて総額60億円の売却益を得たとされている。

また26日には、かつてライブドアによるニッポン放送株大量取得事件で話題になった旧村上ファンドの村上世彰氏が「終値関与」を行ったと報道された。これら株価操縦事件において仕手集団はどの様な手口を行っているのか見ていく。また村上氏の捜査の発端となった黒田電気を巡る議決権争いから仕手とアクティビストとの違いについても見ていきたい。


株価操縦の手口

「買い上がり」や「終値関与」といった仕手集団が行う株価操縦の手口にはどの様な物があるのだろう。

最も有名かつ個人においても悪気なく行ってしまう可能性がある手口は「見せ玉」だ。売買する気が無い取引を発注し、後に取り消しを行う取引のこと。たとえば現在取引が行われている値段の直下に大量の注文を行うことで、株価が下がりにくいと誤解させ株価を上昇させる手法だ。

なお加藤容疑者が行ったとされる「買い上がり」は株価を上昇させる為に注文を連続して行う手法、村上氏が行ったと「終値関与」は市場が閉まる直前に大量の注文を行い、投資家が新聞などで参考にする終値を上下させる手口だ。

株価を意図的に変動、操作し、利益が出るところで売り抜ける、もしくは買いで取引を解消する事で利益を上げようとする。


仕手集団とは何か

株価操縦を行う仕手集団とは、株価を人為的に上げ下げする為に集まった集団だ。株価を上下させるほどのインパクトを与えるためには巨額の投資資金が必要となる。リクルートの創始者であり仕手としても著名であった江副浩正の様に巨額の個人資産を持つ物もいるが、発注を行う為の口座や発注作業の為には複数人での集団としての活動が有利となる。

今回逮捕された加藤容疑者はバブル期前より現在まで仕手集団として展開しており最大時は1000億円近い資金を運用していたと言われており、時の政治家・経営者・スポーツ選手等様々な著名人が関与していたと言われている。

しかし近年においては株式市場のグローバル化にも伴い市場への影響を与える事が困難となっており、かつての様に大きく仕手を行っている集団は減少している。しかし小型株をターゲットにした少人数による仕手集団の摘発は多く、定期的に大学投資サークルのOBなどが仕手を行ったとして摘発されている。小規模に、より巧妙に、気づかない様な形で仕手が行われつつある。


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