売上・収益計画:15年度収益計画は売上で下方修正、利益で上方修正

15年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比0.5%減(前回は0.4%増)、経常利益が5.4%増(前回は3.3%増)となった。売上が下方修正される一方、利益は上方修正されている(図表6~8)。

売上が伸びない中で経常利益が上方修正されたのは採算の改善を織り込んだためだ。下記のとおり、事業計画の前提となる為替レートがやや円安方向に修正されたうえ、原油などの資源価格下落が反映されたものと考えられる。ただし、製造業では、年度下期の採算悪化が強く織り込まれたため、非製造業の上方修正が全体の上方修正に繋がった形となっている。

15年度想定為替レート(大規模製造業)は119.4円(上期120.84円、下期118.00円)と、前回の117.39円から2円程度、円安ドル高方向に修正されている。今回調査時点では、前回調査時点と比べて為替の実勢がやや円安となったうえ、前回までは実勢に比べて若干円高水準での計画だっただけに、実勢を反映する動きが出た。

なお、今回の下期想定レートも、足元の実勢である121円程度よりは円高水準であるが、かなり距離感が詰まってきた。米国は今月にも利上げに向かうとみられるが、為替レートの先行きに対する市場の見方は、昨今やや分かれている。筆者は円安基調継続とみるが、そうなった場合は、次回以降の収益計画において一段と円安が織り込まれていくことで、大企業・製造業を中心に上方修正が入るだろう。

日銀短観5

日銀短観6