堂島米市場,株投資
(写真=PIXTA)

書店に立ち寄ると、株式や不動産など投資を特集したマネー誌や書籍を目にすることも多いと思う。しかし、実際の投資経験を持つ日本人はどれくらいいるだろうか? むしろ、「投資」は自分とは縁のない世界と考えている人のほうが圧倒的に多いかもしれない。

欧米などの海外では資産運用は身近なものであり、その一方で日本人は貯蓄率が高く投資への関心が低いというイメージがある。

しかし、歴史を紐解くと、日本には世界に先駆けて先物取引の公設市場が存在していたのをご存知だろうか? そう、かつての日本にはリスクヘッジの元祖ともいえる文化が根付いていたのである。

大阪堂島米市場は世界に先駆ける先物取引所だった?

江戸時代の税金ーー当時の言葉でいう「年貢」は米で納められていた。江戸時代の米は通貨の役割をしていたのである。

しかし、農作物である米の生産高は、毎年の天候により左右される。豊作の年があれば、凶作の年もある。

米の価格(米価)は豊作の年には急落して、凶作の年に急騰する。豊作で米価が急落すると、給料を米で支給される侍の生活は苦しくなる。反対に凶作で米価が急騰すると、飢餓が生じてしまう。

そうした生活の不安(リスク)を取り除くためには、米価の安定が欠かせない。そこで江戸時代の商人は大阪堂島の米市場で今でいう「リスクヘッジ」をしていたのである。

江戸時代の米取引所は金融市場の役割を果たしていた!

米は通貨の役割を担っていたので、その取引所は一種の金融市場でもあった。

全国から米が大阪に集められ、それぞれの藩が所有する蔵屋敷に納められた後、米切手という証明書が発行された。大阪堂島の取引所では切手により米取引が行なわれたと伝えられている。

さ らに1730年(享保15年)、米価の安定に尽力した八代将軍・徳川吉宗は大阪堂島に米市場(先物取引)の開設を命じた。世界初の公設の先物市場だ。吉宗 は米将軍と呼ばれて治世は好意的に評された。この堂島米会所は、いわば米の証券取引と先物取引を行なっていたのである。

「正米取引」は切手(証券)売買、「帳合取引」は先物売買

米の現物を受け取ることができる米切手は、それぞれの藩の蔵屋敷に貯蔵されている米の証券であった。米切手で米を売買する取引は「正米取引」といわれていた。

一方で、米の「帳合取引」は先物取引である。1年を3期に分けて、「約4カ月」の期日を設定。すべてを差金で決済する取引が行なわれていた。商人、旗本、大名も取引に参加していたと伝えられる。

た とえば「4カ月後」の米の収穫が凶作になるか、豊作になるかは天候次第で誰にも分からない。そこで、米価が安値を付けたときは「4カ月後」に凶作となるか も知れないというリスクに備えて買いヘッジを行い、逆に米価が高値を付けたときは「4カ月後」に豊作になるリスクに備えて売りヘッジを行う。

つまり、「4カ月後」の米の収穫を左右する「天候リスク」に備えてあらかじめ安値で買い、高値で売ることで、将来の米価が急騰・急落する危険性を回避していたのである。これをリスクヘッジという。

この公設の米取引所が日本の証券取引所のルーツとされている。先物取引所といえば、米国のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が世界的に有名であるが、その遥か以前に大阪の堂島米会所は存在していたのである。

将来の不安に備えた資産運用の知識は大切

かつて大阪堂島にあった米市場は、将来の不安に備えた先人の知恵に他ならない。現在の日本では少子高齢化が進み、現役世代には年金をまかなう財源の問題が大きく横たわっている。週刊誌の見出しでは「老後破産」「介護離職」という言葉が並ぶのも珍しくない情勢である。

現 代社会に生きる私たち日本人は、いまこそ先人の知恵に学び、将来の不安に備えた資産運用を検討すべき時期を迎えているのではないだろうか。預貯金だけでな く株式や債券、不動産などに分散投資してリスクヘッジを行うことで、大切な資産を守り育てる。そんな時代を迎えているように思えてならない。

投 資といえば、手数料の安いネット証券に口座を開設して短期売買を繰り返すイメージを抱かれる人も多いかもしれない。しかし、先に述べたように将来の不安に 備えた長期運用のニーズに応えた総合証券会社を選択するのも一つの考え方だ。お金の使い方を考えることは、どんな人生を送りたいのかを考えることでもあ る。お金の使い方は人生そのものを映し出している。そんな視点で証券会社を選びたいものである。(ZUU online 編集部)

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