(写真=Thinkstock/Getty Images)
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年末年始、株価や為替相場についての予想が定番になっている。ごくごくありきたりの予想から、突拍子もない予想までそれらは千差万別なものまで目にする。金融機関のアナリストや著名な投資家、大企業の経営者まで様々な予想を行っている。

昔から学者達は人間の営みのなかに自然科学と同様の普遍性を見出し、学問として成立させようとしてきた。それが経済学だ。そしてデタラメであるかのように見えるもののなかに、規則性を見出し統計学という学問を築きあげてきた。株式相場や為替相場には様々な意図を持った投資家が参加する。そこにも何らかの規則性を見出すことはできないか。多くの人がそのテーマに取り組んできたのだ。以下では、相場予想を統計学の観点からみていく。

経済活動に普遍性を求めることができるのか

世の中の出来事の多くは正規分布を用いることで説明出来る。

例えば、テストの成績だ。通常、平均点の近くに人数が集中し、0点や100点に近づくほど人数が少なくなる。得点の分布は左右対称の釣鐘型になるとされる。平均値μを中心に左右対称の釣り鐘型の正規分布では、平均値 (μ) と標準偏差 (σ) 及び度数の間に次の関係が成り立つ。平均値±標準偏差(σ)の範囲に全データの68.27%が、±標準偏差の2倍(2σ)の範囲内に全データの95.45%が、そして±標準偏差の3倍(3σ)の範囲内に全データの99.73%が分布しているのだ。 テストの成績に置き換えると、+1σは偏差値60、+2σは偏差値70、+3σは偏差値80が目安になる。つまり偏差値70以上の生徒は100人中5人にも満たないということになる。

統計学で、相場予想を違った面で楽しむことができる

標準偏差の考え方を相場に応用したものがボリンジャーバンドと言われるものだ。ボリンジャーバンドの中心となっているのが移動平均線だ。株価は上昇と下降を繰り返すが、移動平均線あたりで株価が推移していることが多く、移動平均線から極端に離れることは少ないと考えられる。株価は移動平均線から最も近い±1σの範囲内で動く確率は68.27%、より広い±2σの範囲内で動く確率は95.45%、そして±3σまで広げれば99.73%までがその範囲内に収まることとなる。

では、現在の日経平均株価で実際の数字を見てみよう。どれだけの期間の移動平均線を基準にするかで数値は変わるが、ここでは13週移動平均線を基準とする。13週移動平均線は1万9046円だ。+1σは1万9650円、−1σは1万8441円。この間で株価が動く確率が68.27%ということになる。つまり、この間の数字を予想すれば、68.27%の確率で当てることができるのだ。さらに、+2σの2万255円から−2σの1万7836円までの数字を予想すれば95.45%の確率で当たることになる。

このように考えると、統計学の前では株価や為替相場の予想は色褪せて見えるのではないだろうか。統計学の知識さえあれば、株や為替について全く知識がなくとも、かなり高い確率で外れない相場の予想が可能となる。しかし、統計学のこの考え方を知っていれば、違った面から相場予想を楽しむこともできる。統計学的にかなり低い確率の数値を予想した人は一体何を根拠に統計学的にあり得ない予想をしたのか。それを想像するのもまた楽しいだろう。(ZUU online 編集部)

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