(写真=Thinkstock/Getty Images)
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ジュニアNISAは国内居住者向け

2016年から「ジュニアNISA」が始まる。未成年者向けのNISA(少額投資非課税制度)となる同制度だが、実際の運用を開始できるのは4月1日の、来年度が始まる時点からだ。制度の運用開始にあたり、年明けの1月からはジュニアNISA口座の開設受付も始まっている。

ただ、ジュニアNISAの口座開設を進める投資家が気をつけなければならない点もすでに、たびたび指摘されており、注意しなければならない。例えば、その一つがジュニアNISAの口座を開設できる金融機関が1社のみだったり、口座を開設している金融機関の変更もできなくなっている。

もちろん0歳から19歳の未成年者だけが口座を開けたり、年間の投資金額も、NISAより低く設定されたりしていることも忘れてはならないだろう。具体的には、従来のNISAでは年間の非課税枠が120万円(2016年以降)となる一方で、ジュニアNISAでは、年間投資金額は80万円となっていたり、運用についても原則として親権者などが代理で行うことになっていたりするのだ。

さらに、「口座所有者の海外渡航時のジュニアNISA口座の取り扱い」も気づきにくい注意点だ。特に、口座の所有者として国内居住者を基本的に想定していることから、口座開設者が海外に渡航する時には特殊な取り扱いを受ける。厳密には外為法第で定められているような「中長期間」にわたって海外に滞在する場合は、海外居住者とみなされてしまい、管理面でも気をつけなければならず、今回はその詳細に迫りたい。

編集部注:外為法(外国為替及び外国貿易法)は、6条第1項第5号に、国内の居住者を規定する条項を置いている。条文は「『居住者』とは、本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす」としており、この「居住者」に該当するかどうかで、ジュニアNISA上の取り扱いにも影響する。

海外留学でジュニアNISAも「課税口座」に

ジュニアNISA口座の開設者が海外へ留学する場合が典型的なパタンとしてありそうで、その際に要となる手続きのガイドラインなどもすでに、公になっている。短期留学の場合には問題ないが、中・長期の海外滞在の場合には、税制上の取り扱いの再確認も必要だろう。

すでに明らかになっているだけでも、長期の海外留学の際はすでに開設しているジュニアNISA口座を利用できなくなるかもしれないからだ。より細かく言えば、海外に長期滞在することになり、国内居住者だとみなされなくなると、ジュニアNISAで行ってきた投資も課税の対象とされてしまう可能性があり、適切な運用をしなければならない。

他方で、「ジュニアNISA口座の所有者がいつ海外居住を始めるか」によっても取り扱い方も変わってくるという。口座所有者の年齢が条件になっており、それぞれ解説しよう。口座の所有者が18歳(3月31日時点)となる前年末までに出国する場合には、出国の日までに当該口座を開設している金融機関に「出国移管依頼書」を提出しなければならない。

その際に、ジュニアNISA口座のすべての株式などを課税ジュニアNISA口座に移管する必要もある。もしもジュニアNISAから株式などを払い出した際にも、それまで非課税で受領したすべての配当金や売買益なども課税対象となるため、管理に際しても慎重に取り扱わなければならない。

また、口座の所有者が18歳(3月31日時点)となる年の1月1日以降に出国する場合には、制度上の取り扱いもまた異なり、出国日にジュニアNISA口座は廃止となる。そのため、出国日の前日までに「未成年者出国届出書」をジュニアNISA口座を開設した金融機関に提出する必要がある。

まとめれば、海外居住者となる場合には、ジュニアNISA口座を開設していたとしても、課税対象となるため注意が必要だということだろう。加えて、出国の際に「出国移管依頼書」ないしは「未成年者出国届出書」を口座を開設している金融機関に出さなければならないということだ。

帰国時のジュニアNISAの管理手続き

ジュニアNISAで購入した株式などが、海外滞在の期間によっては、出国時から課税対象となり得る一方で、帰国時にもジュニアNISA口座の管理に関する手続きをする必要もある。帰国時期によって口座に預け入れている資産の取り扱いも、当然ながら、変わるため、こちらも慎重に対応しなければならないといえそうだ。

出国時の手続きも、口座所有者の年齢によって異なることになっている。口座の所有者が18歳(3月31日時点)となる前年末までに帰国すると、ジュニアNISA口座を開設している金融機関に対して「帰国をした旨の届出書」を提出しなければならない。また、出国の際に「出国移管依頼書」を提出して課税ジュニアNISA口座に移管した上場株式などは、帰国後も非課税ジュニアNISA口座に再び移管しなおすことはできなくなっていることも知っておいたほうがいいだろう。

また、3月31日時点で18歳となる年よりももっと以前に帰国したとしても、18歳(3月31日時点)となる年の年末までは、課税ジュニアNISA口座に預けている金銭や、保管している上場株式などを払い出すことはできない。

さらに、「18歳(3月31日時点)となる年の1月1日から、19歳(1月1日時点)となる年の12月31日までの帰国した場合」と「20歳(1月1日時点)となる年の1月1日以降に帰国した場合」でも、制度上の取り扱いで細かい違いがあるので、まとめてみてみよう。

<18歳(3月31日時点)となる年の1月1日から、19歳(1月1日時点)となる年の12月31日までの帰国した場合>
・帰国した後に非課税ジュニアNISA口座で取引を行う場合には、金融機関に対して「帰国をした旨の届出書」を提出しなければならない
・出国の際に「出国移管依頼書」を提出して課税ジュニアNISA口座に移管した上場株式等は、帰国しても非課税ジュニアNISA口座に再び移管しなおすことはできない。
・帰国した後、3月31日時点で18歳である年の1月1日に達した時点で、課税ジュニアNISA口座からの払い出し制限は解除されるので、課税ジュニアNISA口座に預けている金銭や、当該口座で保管する上場株式等を払い出すことが出来る。

<20歳(1月1日時点)となる年の1月1日以降に帰国した場合>
・出国の際に課税ジュニアNISA口座に移管した上場株式などは、帰国してもジュニアNISA口座へ移管することはできない
・3月31日時点で18歳である年の1月1日に達した時点で課税ジュニアNISA口座に預けている金銭や、保有する上場株式等を払い出すことが可能。この場合、帰国した後非課税のジュニアNISA口座で取引することはできないが、成人のNISA口座を開設してそちらで取引を行うことが出来る。(ZUU online 編集部)

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