散々な幕開けとなった今年の欧州株式市場だが、それを上回る勢いの急下落を見せたのは中国だ。昨年から既に大幅安となっていた欧州の自動車メーカーや高級ブランドの株価は、今週に入ってさらに10%以上下落している。米CNNは中国で需要が高いとされている3つの市場を例に、その動向を分析。いずれの企業も「このまま中国経済が著しい失速を続けた場合、打撃はさらに大きくなる」と懸念を露わにしている。
自動車メーカー BMWやフェラーリ落ち込み
昨年第2四半期の営業利益が3%減となったBMW。中国での販売数は頭打ち状態だ。
「自動車産業史上最悪」といわれる一大スキャンダルで世間を騒がせたVWも、昨年1月から11月にかけての中国でのセールスが3.6%減。
フェラーリのように高級感とスタイリッシュさがウリの高級車も、第3四半期の中国のセールスは24%の落ち込みを記録した。
高級装飾品ブランド ヴィトン、プラダなど苦戦
中国本土から香港、マカオにかけてのセールスが縮小。カルティエやヴァシュロン・コンスタンタンなどを抱えるリシュモン、LVMHのルイ・ヴィトンのほか、プラダといった超高級ブランドも軒並み苦戦を強いられている。
中国本土と香港でのセールスが主要な利益源となっているバーバリーなどは、欧米のフラッグショップでも中国観光客によるセールスが占める割合いが非常に高く、株価やセールス減少によるダメージは予想を上回るものだと思われる。
鉱業 英豪の企業に影響
オーストラリアのリオ・ティントなどは、コモディティー価格の下落以降、コスト削減を強いられている企業の1つだ。
同じくオーストラリアのBHPビリトンは中国のマーケット・ボラティリティについて懸念を示しており、製鋼高を低めに見積もっている。
英アングロ・アメリカンは中国を含む新興国でのコモディティー価格安が長期化することを想定に入れ、昨年12月に8万5000人の大規模な人員削減を発表するなど、苦肉の予防策を打っている。(ZUU online 編集部)
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