(写真=PIXTA)
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「投資」というと、少し前までは若い女性とは縁遠いイメージのものでした。しかし最近では、20~30代女性でも、投資にチャレンジする人が目立つようになってきました。一方で、「気になってはいるものの、どうしても一歩が踏み出せない」と投資に二の足を踏んでしまうという人も多いのではないでしょうか。しかし、最初は誰もが「投資一年生」。皆それぞれ、ドキドキしながら投資を始めた経験があります。

さて、世の中の20~30代女性たちは一体、どのようなきっかけで投資を始めたのでしょうか。また、初心者がハマりやすい投資の落とし穴は、どのような点でしょうか。

そこで今回は、女性が投資を始めたきっかけとして多い点や、投資初心者がつまずきやすい点をご紹介していきます。これから投資をしてみたいという方は、始めるタイミングや気を付けるべきポイントとしてぜひご参考ください。

20~30代女性が投資を始める3つの「きっかけ」

20~30代女性は、どういったきっかけで投資を始めているのでしょうか。相談業務や、女性同士の会話の中でよく耳にする、投資を始めた理由として多いものを3つご紹介しましょう。

まず最も多いきっかけは、「将来もらえる年金が予想以上に少なくなるとニュースで知ったから」というもの。「若い女性の投資」というと、より豊かな暮らしを目指したいという積極的な理由を想像しがちですが、少子高齢社会を反映し、将来の生活を守るために始めるという人が意外にも多いのです。今の若い世代には、「老後資金は自分でなんとかするもの」という意識がだいぶ浸透してきており、年金対策として投資を始めたという女性が多いのも納得の結果かもしれません。

次に多いきっかけは、「ボーナスなど余裕資金を得る機会があったから」です。「失敗したときのリスクを考えると、月々の給与の中から投資する気にはなれない」と考える女性がとても多いようです。他にも、少数ですが、相続によってまとまったお金を手にしたため、投資を始めたという女性もいます。いずれにしても、月々の定期収入の中から投資に回すお金を確保するというよりも、「余裕資金」をきっかけに投資を始めたという人のほうが多いのかもしれません。

20~30代の女性が投資を始める三番目に多いきっかけとしては、「教育資金など、将来に向けて用意しなければならないお金が増えた、または増えそうな時」です。結婚を機に投資を始めたという人は少ないようですが、子供を妊娠・出産をきっかけに投資を考え始めたという人は多いのです。子供を養っていく責任感から、これまでの家計を見直し、不足分を認識して初めて真剣に投資を考えた、ということでしょう。そのほかにも、「いつか大学院に通いたい」「留学したい」といった自分自身の夢のため、お金を用意する手立てとして投資を始めたといった声もありました。

投資初心者が「つまずきやすい」3つのポイント

次に、実際に投資を始めるとなった時に初心者がつまずきやすい3点について、説明していきましょう。

まず一つ目として「とりあえず手を出してしまう」ということがあげられます。本来投資を行う際には、「なぜ投資でお金を増やしたいのか」といった目的を明確にし、その目的に合った投資方法を正しく選択する必要があります。たとえば、老後資金のように、将来確実に用意しておかなければいけないお金の場合は、長い時間をかけても少しずつ着実に増やしていけるような投資スタイルを選ぶ、といった具合です。

しかし、「とにかくお金を増やすのが投資」と思い込み、短期で利益を回収するようなリスクの高い投資(投機)に手を出してしまうといった間違いを、投資初心者は特に犯しやすいのです。FXで失敗して、投資はこりごりとなってしまった事例は多々あります。投資を始める際には、まず目的を明確にする。そして、その目的に合った投資方法を選択する、という基本を忘れないようにしましょう。

二つ目としては、「コスト意識」です。投資による利益には、一般的に税金がかかり、また、運用することによって金融機関に一定の手数料を支払っています。「税金や手数料なんて、利益の中のほんの一部でしょ?」と甘く考えている方も多いのですが、長い目で見れば、節税効果の高い商品・手数料の安い商品を選ぶかどうかで利益に大きな差が生まれてしまうのです。

金融商品は変動するため、「いくら儲かるのか」を自分でコントロールすることは出来ません。しかし、手数料は購入時の自分の判断でコントロールすることができます。こうした点をしっかりと確認しておくことも重要なポイントになります。

最後に三つ目として、「特定の金融商品に偏った投資をしてしまう」ということです。いくら余裕資金で行うとしても、一つの金融商品に資金を全てつぎ込む、といったことは非常に大きなリスクを伴います。「卵は一つの籠に盛るな」という言葉があるように、投資はリスクを分散させ、正しくポートフォリオを組む必要があることを、ぜひ肝に銘じておきましょう。

以上、20~30代女性が投資を始めるきっかけや、初心者がつまずきやすいポイントについて解説してきました。「投資=怖い」といったイメージを持ち、今まで避けてきてしまったという方でも、心配無用です。投資は正しい知識を持っておこなえば、決して大きな損をするものではないのです。

「お金に働いてもらう」、このキーワードはあなたの人生を豊かにするものです。投資を始めてみよう、と思い立った今がまさに始め時。まずは、投資初心者向けの本を読んだり、女性向けマネーセミナーに参加したりと、知識を深めてみることもおすすめです。

武藤 貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーや執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。