英国のEU離脱(ブリクジット)の懸念が高まる中、イングランド銀行(BoE)は外貨準備高を過去1年間で34%引き上げ、EUの後ろ盾を失う万が一の状態に備えているという。オンラインニュースサイトIBタイムズの報道から明らかになった。

カーニー総裁「輸入大国の通貨(ポンド)はブレやすい」

ブリクジットが現実のものとなれば、ポンドの急落は回避不可能だろう。最も記憶に新しいところでは、「ブリクジットは2割のポンド下落を引き起こす」という警告が米ゴールドマン・サックスから発せられたほか、BoEのマーク・カーニー総裁も英国の輸入量が輸出量を上回っていることから、「ポンドの価値は些細なことに影響を受けやすい」と指摘している。

英国では2008年から10年にかけての経済危機の際に84億ポンド(約1兆3822億円)、1992年のポンド危機の際に何十億ポンド(約何兆円)もの準備通貨が使い果たされた過去があるが、今回ほど大幅な引き上げは2001年以来だといわれている。

英国の外貨準備高は2013年から14年まで一時は700億ドル(約8兆325億円)を下回っていたが、国際調査機関WGCによる14年の統計では1077億2800万ドル(約12兆3617億円)まで回復。国際通貨基金(IMF)による2015年12月の発表では1304億8600万ドル(約14兆9732億円)、トレーディング・エコノミクスの最新発表では1351億8000万円(約15兆4997億円)まで一気に増加。

英国立社会経済研究所のマクロエコノミスト、アンガス・アームストロング氏は、「(離脱を問う)国民投票の結果がでてから行動に移すのでは遅すぎる」と、BoEの念入りな準備引き上げが賢明だという見解を示している。(ZUU online 編集部)

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