ジュニアNISA,疑問,注意点
(写真=Thinkstock/Getty Images)

今年1月から口座開設受付が始まり、4月から運用がスタートするジュニアNISA。子供1人当たり年間80万円までの株式投資信託や上場株式への運用で得られる収益が非課税となり、教育資金づくりの手段のひとつに検討している人も少なくないことだろう。ただ、運用結果により金額が変わりトータルの金額が確定しないため、教育資金づくりとして考える際には注意すべき点も多い。ジュニアNISAの口座開設後に将来想定される特殊な事情をいくつか挙げながら解説したい。

親が離婚した場合はどうなるの?

親の離婚に伴い、口座所有者の姓が変わった際は、口座を所有している金融機関で名義変更手続きが必要である。

ジュニアNISAは、子供の進学や就職等に向けた将来の資産形成を目的に創設された側面もあるため、払出制限が設けられていて、ジュニア口座開設者(子や孫)が3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは、原則として未成年者口座及び課税未成年者口座からの上場株式等及び金銭その他の資産の払い出しができない。

しかしながら、「やむを得ない事由」があれば、払出制限の期間において、未成年者口座及び、課税未成年者口座から上場株式等及び金銭その他の資産を非課税のまま払い出すことができるとされている。「やむを得ない事由」のひとつに 「扶養者が配偶者と死別若しくは離婚した場合又は扶養者の配偶者が生死不明となった場合 で、かつその扶養者がこれらの事由が生じた日の属する年の12月31日において寡婦(夫)に該当することとなった場合(該当することが見込まれる場合を含む) 」とある。

「やむを得ない事由」に該当せず払い出す場合は過去分の利益についても課税されてしまうので注意が必要である。

親の転勤で海外に移住することになった場合は?

また、3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までに出国することにより非居住者となる場合、ジュニアNISA口座を開設している金融機関での手続きが必要である。

その際は「出国移管依頼書」を提出して、ジュニアNISA口座で管理されているすべての上場株式等を課税ジュニアNISA口座に移管しなくてはならない。帰国した後に金融機関に「帰国をした旨の届出書」を提出する必要があるが、出国の際にジュニアNISA口座から課税ジュニアNISA口座に移管した上場株式等は、帰国後もジュニアNISA口座に移すことができない。3月31日時点で18歳である年の1月1日に達した時点で、課税ジュニア口座の払出制限は解除され、課税ジュニアNISA口座に預けている金銭や、課税ジュニアNISA口座で保有する上場株式等を払い出す事ができる。

さらに、3月31日時点で18歳である年の1月1日以降に出国し非居住者となる場合は、金融機関に出国する日の前日までに「未成年者出国届出書」を提出が必要で、出国の日にジュニアNISA口座が廃止される。出国するタイミング、帰国するタイミングの年齢によって取り扱いが変わってくるので、海外に移住する際には必ず金融機関への手続きを忘れないように注意したい。

未成年で短期留学の資金が必要なときは?

たとえば、高校2年生の夏休みに短期留学したいと言われ、まとまった資金が必要になり払出したいケースもあるだろう。その際は、口座開設者本人または口座開設者本人の法定代理人のみ払出しが可能となる。

口座開設者本人が未成年者で、なおかつ法定代理人が払出しを行う場合は、口座開設者本人の同意が必要である。年少であることなどを理由に口座開設者本人の同意が確認できないときは、払出しを行う法定代理人に対して「払出しされる資金等が口座開設者本人のために使われること」を確認しなければならない。

払い出された資金は、口座開設者の本人名義口座もしくは振替、または口座開設者本人か法定代理人への現金の払出しにより行われる。ただし、過去に非課税とされた配当金や譲渡益に対して課税される点には留意する必要がある。

ジュニアNISA開設後に金融機関を変更できるの?

NISAにおいては金融機関の変更が年に1度できるようになったが、現状ジュニアNISAでは金融機関の変更は不可となる。

ただし、ある金融機関で開設したジュニアNISA口座を廃止した後、他の金融機関で改めて開設することは可能である。ここで注意すべき点は、廃止されるジュニアNISA口座において、その年に上場株式や投資信託の買付けを行っていた場合は、その年に他の金融機関で口座を再開設できないことである。また、やむを得ない事由により口座廃止する場合以外は、ジュニアNISA口座の開設日以降に、それまで非課税で扱われた配当金や売買益等が課税される点にも留意したい。

今関 倫子 ファイナンシャル・プランナー (AFP)
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP(日本FP協会認定)資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受け、多くの経験を経て独立。個人マネー相談、執筆、マネーセミナーを中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。

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