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(写真=PIXTA)

アベノミクスは振り出しに?

2月の株安と円高で、日経平均もドル円も2013年の4月の黒田バズーカ1以来の水準まで下落している。安倍第2次政権が始まったのが2012年12月。株価と為替がアベノミクスの成績表だとすれば、アベノミクスはすっかり振り出しに戻ってしまったことになる。この間の経済の実態はどうだったのだろうか。

国際通貨基金(IMF)が発表している名目GDPを、2012年末と2015とで比較すると安倍政権3年間でGDPは5.1%増と増加はしている。ただこれをドルベースの名目GDPで見てみると、円安だったこともあり過去3年間でGDPは30.9%減った。実質賃金は100から95に下がり、1世帯の消費支出は2年連続マイナスになり2000年以降で最低に落ち込んだ。アベノミクスの夢が剥がれ、今の株価は経済の実態に即してきたといえるかもしれない。

外国人投資家の日本株の売買動向をみても明らかだ。外国人投資家は、アベノミクスへの期待で2013年に15兆1196億円買い越した後、2014年にも8526億円買い越したが、2015年は3257億円の売り越しに転じている。今年に入っても売り越しは続き2兆円までに膨らんでいる。

日本は25年間も株価指標が新高値を更新しない負け組

米国株と日本株は、短期では相関性が高く感じるだろうが、長期で見ると大きく乖離している。たとえば日本のデフレが始まる1990年からの過去25年で比較してみよう。NYダウ平均株価は、1990年末から2015年の12月末まで約6.5倍になった。一方の日経平均株価は、同期間のパフォーマンスがマイナスの20%となっている。日本が25年間も新高値を更新出来ない一方で、米国株は危機時には下落するものの右肩上がりで高値を奪回している。

この乖離を生み出した主因はファンダメンタルズであるGDP成長率の違いだ。米国の名目GDPは1990年から2015年まで3倍になっているのに対し、日本の名目GDPは1990年から2015年まで11%しか増えていない。まさに日本が失われた20年で停滞しているときに、米国は順調に経済成長を続けてきたわけだ。この四半世紀に長期投資で株式に投資するなら、明らかに日本よりも米国だった。ウォーレン・バフェット氏であっても米国市場だからこそ成功したのかもしれない。25年間上がらない市場では難しかっただろう。やはり、成長する市場に投資するのが投資の原則だ。

外国株投資で長期の分散投資を開始する絶好のタイミング

先進国の今後の経済のファンダメンタルズをみてみよう。IMFの直近の予想では、先進国の2016年GDP成長率見通しは2.1%増、2017年も2.1%増だ。それに対し日本は2016年予想が1.0%、消費税引き上げが見込まれる2017年は0.3%見込みとなっている。 2017年の伸びは先進国の中で最低だ。

一方、米国は2016年も2.6%、17年も2.6%と先進国の中ではもっとも安定して高い伸びが見込まれる。ユーロ圏でも、16年が1.7%、17年が1.7%と日本よりは高い伸びが見込まれている。

もしアベノミクスの期待が崩れるのなら、2016年から20117年の日本株に大きな期待を抱くのは酷である。投資するのなら、失われた20年のように米国の成長に乗るという選択肢を考えた方がいいのではないだろうか?

昨年の米国株は、S&P500の年間のパフォーマンスが年間でほとんどフラットだったのに対し、FANG銘柄という伸び盛りのネット関連株は大きく上昇した。FANGとは、Facebook(フェイスブック)とAmazon(アマゾン)とNetflix(ネットフリックス)とGoogle(グーグル、親会社はAlphabet)の頭文字をとった総称で、年間でアマゾンとネットフリックスは倍以上、フェイスブックとグーグルは30−40%上げた。アップルもそうだが、米国にはこれだけ輝いている銘柄がある。

米国株は日本株よりも小口資金で始められる

日本株も最近は100株単位で商いできる銘柄が増えてきて、10万円以下で買える株は1200銘柄を超え全体の3分の1程度になってきてはいる。ただ、米国株はすべて1株から取引できるため、日本株よりも少額で投資をスタートできる。

たとえば、米国株の代表としてアップル(ティッカー:AAPL)に投資したければ、現在の株価は95ドル程度、ドル円が112円程度なので、1万円程度の資金があればアップルの株主になれるのだ。ただ米国株の場合、日本の株主優待はほとんどない事を覚えておこう。米国では、株主還元は配当を増やすというのが基本ポリシーだ。

マネックスであれば、外国株口座開設もウェブ申請で簡単に出来る。取り扱い銘柄数も3000銘柄を超えていてネット証券で一番のラインナップだ。手数料も他社が1取引当たりの手数料設定で25ドルなどとしているのに対し、1取引当たりの手数料を0.45%としているため、約定代金が50万円以下の場合マネックスの手数料が安くなるだろう。

さっそく外国株の口座を開設して、米国株に長期の分散投資を始め、将来のウォーレン・バフェットを目指してはいかがだろう?

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