一般的に積立投資は、安全度が高く老後の資産形成に向いていると考えられている。しかし、投資である以上、リスクがないわけではない。本記事では、積立投資に失敗するとき頭に浮かびがちな4つの心の迷いを例に挙げ、資産形成に成功するコツとは何かを探っていく。

積立投資のメリットは ?

老後向け積立投資に失敗する4つの「心の迷い」とは ?
(画像=ponta1414 / stock.adobe.com)

積立投資とは、外貨や株式、投資信託などの金融商品を決まったタイミングで定期的に購入していく投資方法のことだ。運用知識や経験がない投資初心者にも向いており、リスクもある程度抑えられることから安全度の高い投資といわれている。ここでは、積立投資の主なメリットを3つ紹介していく。

「投資時期」の分散でリスクを減らせる

積立投資では、投資のタイミングを分散しながら一定額を購入し続けていくことで「時間分散」を図ることが可能だ。同額ずつ購入するということは、価格が高いときには購入数量が減り、安いときには数量が多くなるため、平均購入価格を抑えられる。これを「ドル・コスト平均法」といい、投資期間が長期におよぶほど時間分散効果によってリスクを軽減できる。

「投資資金」の分散でリスクを減らせる

資金を一つの金融資産に集中して投資すると下落リスクが大きくなる。しかし、積立投資なら分散投資により安定した運用とリターンを期待できる点がメリットだ。複数の資産や地域、通貨を組み合わせて選ぶことで下落リスクを抑えて資産の成長も見込める。

相場を見る時間や手間が少なく済む

積立投資では、事前に銘柄や購入のタイミング、金額などを決めておくことで、口座から自動的に引き落とされて買い付けができる。相場を見る時間がない忙しい人でも手間がかからないほか、購入のタイミングがつかめない投資初心者にもおすすめだ。

積立投資で失敗するときに頭に浮かぶ4つの心の迷い

積立投資には、多数のメリットがある一方で落とし穴があることも覚えておきたい。ここでは、積立投資で失敗するときに陥りやすい4つの心の迷いを紹介する。

「今が買い時かも」

積立投資の基本は「決まった金額を定期的に投資していくこと」である。しかし極端な相場の下落を見てしまい「今が買い時かも」と迷うこともあるだろう。ルールを破って一括投資してしまえば、せっかくのメリットを活かせず、大きく損をしてしまうリスクが高くなることに注意したい。

ただし、安い相場でまとめて購入すれば、値上がり時のリターンはそれだけ大きくなるのも事実だ。試す場合は、あくまでも余裕資金で投資すると良いだろう。

「今が売り時かも」

相場が極端に上昇した場合に迷うのが「運用を続けるか」「売却するか」という選択だ。長期積立投資では売却しないのが基本だが、このルールを破って累計積立分をすべて売却すると相場観がなければ損をしてしまう可能性がある。

一方、積み立てから数年が経っており、大きな運用益が見込める場合は、売却することも選択肢の一つだ。

「インデックス投資よりも大きな利益が出そう」

「複数の株式銘柄に広範な投資ができるインデックス投資よりも、大きな利益を狙って外貨や個別銘柄を積み立てたほうが良いのでは ? 」と考える人もいるかもしれない。しかし、投資対象を限定して長期的に下落した場合、積立投資で大きな損失を出すことになりかねないため、注意が必要だ。

例えば「投資に慣れてきた」「余剰資金ができた」「投資の目的が変わった」といった場合ならば、外貨や個別銘柄への集中的な投資も検討して良いだろう。

「資産の全てを外貨積立にしてしまおう」

外貨積立のメリットを知った上で、資産の全てを一つの外貨の積み立てに充てようと考える人は少なからずいる。しかし、資産の全てを一つの外貨で積み立てるのはややリスクがある。自分の資産におけるほぼ全てが為替リスクにさらされるからだ。

外貨預金の積み立てで利益を狙う場合、生活のためのお金を除いた余剰資金の一定割合を積み立てに充てるのが、堅実な手段と言える。

積立投資の王道は ?

いざ積立投資を始めてみると相場の動きに一喜一憂して「このまま運用を続けて大丈夫かな」「もっとハイリターンは狙えないかな」と心に迷いが出ることもあるかもしれない。しかし積立投資の王道は、時間をかけながら値動きを味方につけ分散投資ができる、外貨積立と長期保有である。

積立投資の基本を心得て迷いに打ち勝つ

積立投資は、金融商品を一定額でコツコツと購入することで時間分散や資金分散でリスクを軽減し、手間なく投資ができるなどのメリットが多い。投資の3大原則は「長期・積立・分散」といわれるように、長期的な積立投資で投資先を分散させることにより安定した利益につながるのだ。

心の迷いに負けず、王道のアプローチをとるのが積立投資の基本であることは押さえておきたい。

(提供:大和ネクスト銀行


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