シニアのなかには「自宅にいる時間が増えたので自治会に加入して地域活動に参加したい」と考えている人もいるかもしれない。加入は基本的に個人の意思に委ねられているが、自治会に加入するとどのようなメリットがあるのだろうか。
本記事では、現在の自治会への加入率や加入するメリットなどについて解説していく。あわせて、シニアのコミュニティ参加の重要性と自治会以外の選択肢についても紹介する。
自治会への加入率の推移は ?
まず自治会への加入率の推移を紹介していく。総務省の公式サイトで公開されている「地域コミュニティに関する研究会 報告書」によると「600市区町村における自治会等の加入率の平均 (単純平均) 」は以下のように推移している。
年 | 加入率 |
---|---|
2010年 | 78.0% |
2011年 | 77.6% |
2012年 | 77.2% |
2013年 | 76.5% |
2014年 | 75.9% |
2015年 | 75.3% |
2016年 | 74.7% |
2017年 | 74.0% |
2018年 | 73.3% |
2019年 | 72.4% |
2020年 | 71.7% |
市区町村へのアンケートでは、自治会の課題として「役員・運営の担い手不足」「役員の高齢化」「加入率の低下」などが挙げられている。
そもそも自治会の役割は ?
では、そもそも自治会の役割とはどのようなものなのだろうか。具体的には、以下のようなものが挙げられる。
- 地域の見守りや居場所作り
- 住民同士の連絡の場
- 行政からの連絡事項の地域住民への伝達
- 自治体から依頼された業務をこなす など
また会員の「やりがい」や「生きがい」につながっている側面もある。仕事をリタイアしたあとは、良い意味でも悪い意味でも「やらなければならないこと」が減る。そうした状況で自治会のメンバーとしての仕事が、日々の生活にメリハリを与えてくれる可能性がある。
今後自治会に期待されている活動は ?
高齢化の進展に伴い、自治会に期待される活動も変化しつつある。現代では、地域の催事やイベントの運営・開催に特に力を入れている自治会が多い。しかし今後は、要援護者の避難支援や安否確認などの防災・危機管理に関することや、地域福祉に関する活動に期待を寄せる声も少なくないようだ。
あなたは自治会に入るべき ?
実際のところ自治会には入るべきなのだろうか。ここでは、自治会に加入するメリットとデメリットについて解説する。
メリット:社会的接点を得られる
リタイア後に社会的接点を持ち続けたい場合、自治会への加入はその目的を達成しやすい。
メリット:やることのあるシニア期に
「暇」は、思考力や体力の低下を加速させ認知症の発症リスクを高める可能性もある。自治会に入って「やること」があり続ける状況が、こうしたことの防止につながることもある。
メリット:地域の活性化に貢献できる
自治会活動に参加することで、地域の活性化に貢献できる。これにより、住んでいるエリアがより活気づき、その結果、日常生活の快適さや安全性が向上すれば、自分自身にもメリットがもたらされるだろう。
デメリット:少なからず時間がとられる
自治会に加入すると、どのような担当になっても割り振られた仕事のためにある程度の時間の確保が必要になる。
デメリット:人間関係に悩むこともある
自治会では、その地域に住むさまざまなバックボーンの人と関係ができるため、時には人間関係のトラブルになることもある。
シニアのコミュニティ参加の重要性
孤立・孤独は、精神的にも体力的にも老化を助長することになりかねない。シニア期の孤立・孤独を防ぐためには、自ら積極的に「人と関わり合う機会」を作ることが重要だ。前述の通り、自治会に加入すると人間関係に悩まされる可能性といったデメリットの側面もある。
しかしコミュニティ参加は、健康面から見ると意味がある行為といえるだろう。国や自治体も孤立・孤独対策を行っているが、自ら積極的に動くことも重要だ。
シニアコミュニティの具体例
シニアのコミュニティとしては、自治会以外の選択肢もある。
趣味・スポーツの会
趣味・スポーツの会もその一つだ。例えばゴルフが趣味だった人は「パークゴルフ」を始めてみてはいかがだろうか。ゴルフに比べて歩く距離も短く、年齢を重ねてもほかの人と無理なく楽しみ続けることができる。
ボランティアの会
企業に勤めていると商品やサービスの開発・提供などを通じ、間接的に社会に貢献することになる。リタイア後もこうしたやりがいを持ち続けられるのが、ボランティアの会への参加だ。例えばゴミ拾いなどのボランティアや、子どもの通学の見守り活動などが挙げられる。
高齢者向け教室
学びは、何歳になってもやめる必要はない。自己啓発は、新たな気づきを与えてくれる。国や自治体によっては、高齢者向けの教室や生涯学習の講座を開いているところもあるため、積極的に参加してみるといいだろう。同じことを学んでいる人同士であれば、話も合ってよい人間関係につながりやすい。
「お金」と「やりがい」の両方が必要
シニア期は「お金」と「やりがい」の両方が必要だ。この両方がそろっていないと充実した豊かなシニア期を送りにくい。お金は、資産運用でしっかりと確保できるようにし、やりがいは自治会やその他のコミュニティへの加入などを通じて得られるようにしたい。
(提供:大和ネクスト銀行)
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