自宅で新聞を購読している人は、現在どれくらいでしょうか。「ニュースはスマホでチェックするだけ」という人も多いでしょう。しかし、成功している投資家や経営者は新聞を読んでいますし、むしろ複数の新聞を購読し併読しています。新聞離れが進んでいる世の中だからこそ、新聞を読むことで差別化が図れるのではないでしょうか。
新聞離れが進む世の中で、投資家や経営者が新聞を読む理由
新聞離れはどれくらい進んでいるのでしょうか。2019年の新聞発行部数は約3,781万部でした。2009年の発行部数は約5,035万部なので、10年間で約1,254万部も発行部数が減少していることが分かります(一般社団法人日本新聞協会のデータによる)。
発行部数の減少には、人口減少も影響を与えているでしょうが、それ以上にインターネットでニュースを読む人が増えたことが要因として大きいでしょう。新聞社のWebサイトだけではなく、複数のメディアの記事が読めるニュースアプリもたくさんあります。
こうしたアプリでは、スキマ時間に手軽にニュースをチェックできます。また、自分がコメントしたり、人のコメントを読んだりする機能もあり、広く支持されています。
ニュースのほとんどはスマホを使ってネットで読む人も増えているなか、多くの投資家や経営者は、今もなお複数の新聞を定期購読しているとされます。
「新聞もネットも同じじゃないの?」「新聞を読んだからといって、目の前の生活にどう役立つの?」という意見にも一理あります。
しかしながら、新聞の記事がすべてネットのニュースアプリで読めるわけではありません。また、ネットでニュースをチェックしていると、自分の興味のあるニュースを中心に「拾い読み」してしまいがちです。
その点、新聞だと、大きく書かれた見出しは自然と目に飛び込んできます。そのため、「全体像がつかめる」「記事同士のつながりがわかる」といったメリットも出てきます。世の中の動きが見えてくると、運用や貯金の仕方も大きく変わってくるのではないでしょうか。
続いては、新聞を読むメリットを掘り下げるとともに、効果的な新聞の読み方をお伝えします。
新聞を資産形成に役立てるための4ステップ
新聞の効果的な読み方を、4つのステップに分けて紹介します。
●ステップ(1) 誌面全体を見てタイトル(見出し)を読む
まず紙面全体を見渡し、1〜3面のタイトルを読みます。
多くの新聞では1〜3面までを読むことで、1面には今最も注目されているトップニュース、2面・3面にはそれに関連するニュースや次に注目度の高いニュースを知ることができます。それ以降の紙面には「政治」「国際」「経済」など各専門分野のニュースが続きます。
このステップをふんでおけば、世間話でニュースの話題になった時、「あの話ね」とわかるようになり、効率的に知識を蓄えられるようになります。
●ステップ(2) 1〜3面のリード(最初の数行)を読む
見出しを読んで興味を引かれた時は、リード文に目を通しましょう。リード文は記事の内容を要約した文章なので、タイトルとリード文を読めば、その記事の概要を把握できます。
リード文を読む時、「世の中でこんなことが起きているんだ」という気持ちで読むのではなく、「自分の生活がどう変わるかな?」という視点を持つことが大切です。
例えば、「災害によって買い占めが起こるかもしれない」「技術革新で、こんな便利な商品ができるかも」「このニュースに関連する書籍が売れるのかな」といった視点を持つだけで、内容がぐんぐん頭に入ってくるようになります。
●ステップ(3) 広告にも注目してみる
新聞をパラパラとめくっていると、意外と広告が多いことに気づくでしょう。広告は、世の中のトレンドを知る参考になります。ネットでは閲覧履歴などからAI(人工知能)が学習し、広告も閲覧者の好みにあわせてカスタマイズされますが、新聞の広告はそうではありません。
「今はこんな本が注目されているのか」「こんな不動産を買うのは、どんな人かな」と想像しながら広告に目を通すと、自然と視野も広がります。また、今どんな業界に伸びしろがあり、どんな業界が苦戦しているのかなども見えてくるかもしれません。
●ステップ(4) 楽しく続ける工夫をする
最後に大切なのは、楽しく続ける工夫をすることです。せっかく「運用や貯金で周りに差をつけよう!」と思って新聞の購読を始めても、継続できなければ意味がありません。
あまり最初からハードルを高く設定しすぎずに、まずは「新聞を読むのが楽しい」と思えるよう、自分なりの工夫をしてみましょう。
新聞を読んでいると、「お悩み相談」だったり「社説」だったり、きっとお気に入りのコーナーが見つかるはずです。また、「昨日のニュース、あれからどうなったのかな」とドラマや連載ものを読む感覚で、気になり始める人もいるかもしれません。
モチベーションを保つことは、新聞を読むうえでとても大切なことです。継続して効果的に新聞を読むことで、さまざまな情報が頭に入り、自分の考えも生まれ始めるのではないでしょうか。
紙面に目を通しながら、「建築の規制が緩和されるということは、不動産投資が活発になるのかな?」「早期退職が増えたら、シニア向けの観光産業が活発になるかも」など、ニュースをもとに、世の中がどう動くか予想してみましょう。
運用や貯金のヒントは、意外とこういうところに隠れています。一見関係ないと思っていた知識や情報が、ふとした瞬間に生きることは、投資の世界ではよくあることです。
資産形成の成功を目指すなら、運用や貯金のハウツー本に加えて、新聞の情報も活用するとより選択肢も広がっていくのではないでしょうか。
世の中の「逆」をいく人が成功する?
「紙の新聞なんて時代遅れ」という風潮が、今の世の中にはあるかもしれません。しかし、世の中の多くの人が向かう先が、必ずしも正解とは限りません。むしろ成功者の多くは、世の中の「逆」をいくことで、大きなことを成し遂げている場合もあるのです。
周りと同じことをするのではなく、自分の「軸」を持つことが、成功者になるための第一歩といえそうです。
執筆者:木崎涼(ファイナンシャルプランナー)
(提供=auじぶん銀行)
【おすすめ記事 auじぶん銀行より】
・100万以上の控除!?「住宅ローン控除」の節約メリット
・知って得する貯蓄のコツ 「生活口座」と「貯蓄口座」とは?
・ローン返済額みんなの平均はいくら?「住宅購入とお金」全国実態調査
・お金を貯められる人になるために持ちたい「コスト意識」
・もうすぐ「平成」が終わる…元号の変更でどうなる?昭和から平成はどうだった?