サラリーマンが資産運用を行う場合、どのような方法を考えるべきでしょうか。各人で資産背景や収入、年齢、金融知識が異なるので、万人に適した資産運用方法はないというのが大前提ですが、多くの人にとって重要と思われるポイントは存在します。

今回はそのような視点から、「サラリーマンが行うべき資産運用方法」について解説していきます。

サラリーマンが資産運用を行う上での4つのポイント

サラリーマンが行うべき資産運用方法は?4つのポイントを解説
(画像=PIXTA)

サラリーマンが資産運用を行う際、どういったことを心がけるべきなのでしょうか。4つのポイントを紹介します。

●ポイント1:長期投資を心がけること

投資期間を長く取ることで、投資による価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できます。長期投資は多くの個人投資家が実践する王道的な手法のひとつですが、特にサラリーマンが長期投資に向いていると思われる理由としては、以下の3つが挙げられます。

・理由1:安定収入がある
サラリーマンは安定的な本業収入があります。もし収入面に余裕があるのなら、その余剰資金で無理なく長期運用することができます。毎月の給与から余剰資金を捻出することが難しい場合は、ボーナスを運用するという方法もあります。

・理由2:値動きを頻繁に確認しなくてもよい
もちろん一定の間隔で資産状況を確認することは重要ですが、デイトレードのような短期投資と違って、一日中モニターの前に張り付いている必要はありません。長期投資は、日中に時間を確保しにくいサラリーマンに合った投資スタイルです。

・理由3:短期間で成果を出す必要がない
専業投資家(プロ)は短期で運用結果を出さなければいけないこともありますが、サラリーマンは無理に短期投資で戦う必要はありません。時間を味方につけて資産運用を進めることができます。

【具体的な実践方法の例】
長期投資を実践する具体的な方法としては、積立投資のひとつである「定額購入方法(ドルコスト平均法)」が挙げられます。これは毎回一定金額ずつ買い付ける方法のことで、価格が安いときは多く、価格が高いときは少なく購入することになり、結果として平均購入価額を安くすることができます。サラリーマンは安定的な給与があるので、定額購入法との親和性が高いと言えます。

●ポイント2:上手に節税すること

税負担を減らしたいのは多くの人に共通するポイントですが、特にサラリーマンが意識すべき理由としては以下の2つが挙げられます。

・理由1:節税によって手元に残るお金を増やせる
歩合制で働いていない限り、サラリーマンが収入を増やすことは急にはできません。しかし、合法的な範囲で節税をすれば、節税策を施す前に比べて、確実に手残りを増やすことができます。

・理由2:昇給に伴い税金も増えていってしまう
所得税は、稼げば稼ぐほど税負担も大きくなる累進課税を採用しています。つまり、昇給すればするほど税負担が増えるので、節税がより重要になっていきます。

【具体的な実践方法の例】
上手に節税する具体的な方法としては、iDeCoの活用が挙げられます。iDeCoは、確定拠出年金法に基づいて運営されている私的年金の制度で、掛金、運用益、給付を受け取るときの3点において税制上の優遇を受けることができます。サラリーマンは安定収入があるという強みを活かしつつ、その一部をiDeCoの掛金へと回すことによって節税できます。

●ポイント3:本業で得た知識を活かすこと

長期投資を行う際は、投資先の業界や銘柄について情報収集をし、研究した上で将来を予想することが重要ですが、サラリーマンが本業で知り得た情報は貴重な研究材料になります。また、本業自体が情報収集になるので、忙しいサラリーマンにとって、時間効率が高いこともメリットです。

【具体的な実践方法の例】
本業で得た知識を活かす具体的な方法としては、自分のよく知る業界の銘柄を売買することが挙げられます。ただし、株価に影響を与えるような機密情報を投資に利用してしまうと、インサイダー取引として刑罰を受ける恐れがあります。くれぐれも抵触しないように注意しましょう。

●ポイント4:夜間や休日を活用すること

株式をはじめ、多くの投資商品は取引所が開場している日中に価額が変動しますが、サラリーマンは本業に従事する日中は投資に時間を充てにくいものです。しかし、工夫次第でサラリーマンは夜間や休日を投資に活用することができます。

【具体的な実践方法の例】
具体的には、ネット証券の利用がおすすめです。約定タイミングは商品ごとに異なりますが、操作自体は原則として24時間いつでも注文を出すことができます。

資産運用と自己投資のバランスが重要

資産運用も重要ですが、サラリーマンの場合は自己投資も重要です。スキルアップや資格取得などの自己投資が、自身の収入増加につながるためです。多くのサラリーマンにとってお金は有限ですので、資産運用と自己投資のバランスを考えて配分するようにしましょう。

資産運用するならサラリーマンの強みを知っておこう

本業と資産運用の両立は難しそうと思う方もいるかもしれません。ですが、老齢年金だけでは老後資金が不足するとも言われる時代、資産運用などの自助努力を早めに始めておくことも選択肢のひとつといえるでしょう。

そしてサラリーマンが資産運用するのであれば、サラリーマンの特性をよく理解した上で強みを活かしつつ、専業投資家に比べ不利な条件とはうまく付き合うことが重要です。今回解説したポイントと実践方法を、資産運用の参考にしてみてください。

執筆者:菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)

(提供=auじぶん銀行)

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