クレジットカード人気が大爆発中の香港。取引件数が昨年の4億8310万件から2019年には5億4730万件(年平均成長率3.17%)に、取引総額は720.9億ドルから830.3億万ドル(約8.6兆円から約9.3兆円/年平均成長率4.93%)に達すると予想されている。

香港の消費者の生活スタイルが大きく様変わりし、クレジットカードが生活必需品としての位置づけを確立したことが、クレジットカード人口を増大させた主な要因としてあげられている。

またステータスを意識する消費者も増え、プレミアムカード(ゴールドカード以上)への需要も高まっているという。

ぜい沢品への需要が過去最高 消費者金融産業が大盛況に

近年香港では、生活や娯楽に関連性のある商品やサービスの消費が、史上最高の伸びを見せている。人々はスマートフォンやタブレットに代表される流行りモノから、外食やエステ、旅行などの贅沢品にお金を費やすようになった。

消費や需要の変化にともない、クレジットカードや個人ローンを含む消費者金融産業が主流に躍り出た。家族から離れて暮らす学生の増加もクレジットカード人気に火をつけたが、大学や専門学校への進学率と生活水準の伸びには、大いに関連性があるものと思われる。

香港では特に富裕層の増加が著しく、2014年から2015年にかけては11.2%増の13万8200人を記録。インドに次ぐ世界第2の増加率となった。

資産規模も4兆5000億ドル(約503兆3250億円)と、19.3%拡大されている。香港における裕福層の拡大は今後も継続すると予測されており、スイスに本拠地を置くプライベートバンク、ジュリアス・ベアは、「2020年には総資産額が1兆ドル(約111兆8500億円)を上回る」とのレポートを昨年発表している。

こうした背景から、香港ではゴールドカードの所有者が非常に多く、消費者の間では1ランク上のプレミアムカードの所有がステータスとなっている。

銀行はあの手この手で顧客獲得に奮闘中だ。日本でもおなじみのリワード・プログラムや年会費無料といったキャンペーンはもちろん、非常に還元率の高いポイント制度や、入会後数か月間の利用額に応じて貰える「ウェルカム・ギフト」など、嬉しい特典ずくめだという。

また香港と中国本土間の取引が増加傾向にあることなどから、「2通貨カード」や「多通貨カード」と呼ばれる複数の通貨に対応可能なプリペイカードの発行数も、急激に伸びている。( FinTech online編集部