10年固定住宅ローン
(写真=マネーゴーランド)

このレシピを実行して円貯まる!

【材料】
・10年固定の住宅ローン

【Point】
①10年固定の主流は、当初期間の金利をぐっと引き下げるタイプ
②当初期間の経過後は、金利の引き下げ幅がぐっと減る

「100万円を1年預けても、利息はたったの10円だって!」なんてグチが聞こえてくる今日この頃。でも、住宅ローンを借りるなら、話は別です。

2016年3月に入り、メガバンク3行の10年固定は、年0.8%になりました。年0.5%で提供するところだってあります。住宅ローンの金利タイプには、いくつかありますが、今、とかく取り上げられるのが、この10年固定です。

でも、金利だけを見てとびつくと、後でビックリすることになります。多くの金融機関が販売に力を入れる10年固定は、「当初10年間の金利をぐっと引き下げる」設計になっているからです。

例えば、10年固定の基準となる金利(引き下げ前の金利)を、年3.1%とします。当初期間は、年-2.3%とすると、実際の借入金利は0.8%になります(3.1-2.3=0.8)。3,000万円を35年返済で借りた場合、毎月の返済は81,918円です(元利均等返済でボーナス併用なしの場合)。

金利が低いと喜ぶのは早い

ところが、10年経ったら引き下げ幅が減ります。それこそぐっと減って、年-1.4%になるとします。その結果、何が起きるでしょうか。

世の中の金利が変わらず、10年固定の基準となる金利も、変わらないとします。そのような状況でも、再び10年固定を選択すると、引き下げ幅が減った分だけ借入金利は跳ね上がります。年1.7パーセントになります(3.1-1.4=1.7)。もちろん、毎月の返済額は増えます。11年目から、毎月返済が91,162円になります。

もうひとつ。仮に、10年固定の基準となる金利が、年3.1%から年4.1%に上がると、借入金利は年2.7%になります(4.1-1.4=2.7)。毎月の返済も102,151円に。いっきに2万円の負担増です。引き下げ幅が減ったうえに、基準となる金利も上がると、こんなことが起きます。

「当初10年間の金利をぐっと引き下げる」10年固定は、利用の仕方によっては、すごく魅力的です。でも、どのような設計なのかを知らずにいるのはキケンです。仕組みを理解し、納得のうえで利用するようにしましょう。

【執筆者プロフィール】
久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー
大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。(提供: マネーゴーランド )

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