不動産投資の一連の流れは、大きく分けて3つのステージがある。最初のステージは「不動産を購入するまでのステージ」、続いて不動産を所有して利益を得る「経営のステージ」、最後は投資の出口戦略としての「売却のステージ」だ。
不動産投資は、この3つのステージを繰り返して利益を得るビジネスだといえる。
不動産投資は初めて物件を購入する場合でも、購入する物件を担保に融資を受けることができるという点で、一般の事業とは違う特殊性がある。
したがって、たまたま良い時期に良い物件が見つかると、満額融資が出てしまう場合がある。しかし、購入しただけで成功したと勘違いするのは危険だ。億単位の借金を数十年かけて返済する中で、変化する危険なサインを見逃してしまい、ボディーブローのようにある程度時間が経過してから苦しむ結果となる。
そのようなことを回避し、継続して不動産投資を行い、資産を成長させていくためには、以下で説明する各ステージに合わせた考えと行動が不可欠になるだろう。ここでは、3つのステージで不動産投資家として"正しい目"を養うための考え方と行動について解説したい。
第1ステージ:購入前は「お金を引き寄せる投資家」
最初のステージである投資物件購入までは「お金を引き寄せる投資家」として考え、行動することが重要となる。言い換えると、物件購入まではお金を出す金融機関の目線、つまりお金を引き寄せる投資家として考え、行動し、金融機関が融資を実行するに値する物件を探し出すことが第一歩となる。
物件の土地/建物の原価を算出する積算評価や収益性から価格を割り出す収益還元法と呼ばれる評価計算方法を使い、その物件の価値を評価し、購入価格以上に価値のある不動産を探し出す。
また、ディスカウントキャッシュフロー(DCF)と呼ばれる計算方法を用いて、現在の価値や将来の価値まで見据えて物件の価値を評価し、金融機関と融資交渉を行う。これは、ある意味M&A等の企業評価に似ている。販売価格以上に価値がある物件を見つけ出し、評価し、融資を引っ張るといった投資家としての行動と思考ロジックを常に持つことが、このステージでの重要なカギとなる。