6月に結婚する女性は幸せになると言われ、「ジューンブライド」という言葉はすっかり定着した。6月は結婚のシーズンというイメージは変わりないが、結婚式が多いのは4、5月や10、11月など気候のいい時期のようだ。実際、月ごとの結婚式の件数を調べたところ、6月は5番目だったという。
「ジューンブライド」は昔から憧れの対象だったが、最近は「結婚=幸せ」という単純な図式は成り立たなくなっている。晩婚化や「ナシ婚」など結婚するカップルの価値観も多様化しているのだ。
「興味がない」が半数以上
20~30代の未婚女性は結婚式についてどういうイメージを持っているのだろうか。実はその59%が「お金がかかる」イメージだと答えている。次いで「めんどう」(17%)、「疲れる」(12%)とマイナスのイメージが先行している(ウェディングキュレーションサービス「MARRY」を運営するインターファーム調べ)。
また20~39歳の男女を対象に行った別のアンケートでは、「結婚願望がない」と答えた人が41.5%となった。結婚願望がない理由としては、「面倒・興味がない」が52.4%と半数以上を占めた。以下「自分の趣味に力を入れたい」が36.1%、「仕事や勉強で忙しい」が17.5%と、「自分だけで精いっぱい」ということのようだ(クロス・マーケティング調べ)。
「面倒」と答えた人の理由では、結婚のデメリットを強く意識していることも分かる。「他人と暮らすのが面倒」「1人でいる自由をなくしたくない」とプライバシーや気ままな生活がなくなってしまうと考えているようだ。
特に子どもが生まれたり、相手の両親と同居したりと家族が増えれば増えるほど、どうしても自分のことは後回しになってしまうだろう。一人でいる今が十分満足なものなので、「今の生活を失いたくない」という本音が見える。
結婚は人生の墓場なのか?
日本生命保険が調べたところでは、結婚しない理由として「経済的な不安」を理由に挙げたのは女性が4.2%だったのに対し、男性は16.4%だった。非正規雇用の増大など、先行きの不透明な社会情勢が背景にあることは間違いなさそうだ。
希望の働き方については、男女ともに8割以上が「共働き」と答えていることからも、「結婚生活にはお金がかかる」というイメージが強いことが分かる。この結果に専門家は「女性が結婚しても不利にならない職場環境を整備しないと、独身志向はさらに強まってしまうだろう」と警鐘を鳴らしている。
およそ3組に1組が離婚している中で……
最近は芸能人や文化人の不倫報道が相次いでいる。「バツイチ」という言葉もとっくに市民権を得ている。
実際、離婚件数も増えている。1960年代には1を切っていた離婚率(人口1000人あたりの婚姻件数)も、2を超えた2000年ごろと比べれば減ってはいるものの、最近では1.5を超えている。たとえば2014年の婚姻率は5.1、離婚率は1.7なので、およそ3組に1組は離婚している計算になる。外国と比べれば、もっと高い離婚率のところはあるものの、これも決して少なくはない。
また多くの社会人が周囲の既婚者から話を聞き、結婚に対するイメージが悪くなっている可能性は十分にあるだろう。
ジューンブライドに対する冷静な見方や、結婚に対するイメージを見るにつけ、昔は結婚の理由になり得た「見栄」や「体面」が、今の若者には通用しないということが分かる。SNSが浸透した今、出会いの機会を容易に得られるだけでなく、結婚生活のネガティブな情報がたくさん耳に入るようになった。「結婚に興味がない」という若者をその気にさせるのは相当難しそうだ。
少子化、人口減が進むことを理由に、若者が結婚しない現状を問題視するのなら、結婚したくなる仕組みをつくるのではなく、結婚しなくてもいい仕組みを考えるという逆の発想が必要かもしれない。 (ZUU online編集部)