米フォーブス誌がこのほど、「2015年版世界でもっとも権力のある女性100人」を発表しました。上位10人は政治と事業分野で活躍している女性が目立ちます。その7割をアメリカ勢が占めており、欧米では女性にも国家首相や大統領、大企業のCEOになるチャンスがあることがはっきりする結果となりました。

評価方法は、世界中から300人の候補者を選出し、8つのカテゴリー(大富豪、事業、セレブ、経済、メディア、慈善事業、政治、テクノロジー、政府間機関)に分類。各候補者の資産状況、メディアへの露出、影響力などに基づいて順位付けが行われました。

中国、香港、韓国からランクイン

アジア圏からランクインした女性は17人で、最高位は11位で、韓国の朴 槿恵( パク・クネ)第18代大韓民国大統領でした。

国別で見ると、中国が合計5人で最も多く、33位にはアリババ・スモール・アンド・マイクロ・フィナンシャル・サービシズ・グループの彭蕾(ルーシー・ペン)CEO、62位にはWHOの陳馮富珍(マーガレット・チャン)事務局などが入りました。

香港からはリ・カシン・ファウンデーションのディレクター、周凱旋(ソーリナ・チョウ)氏が78位に、韓国からは朴 槿恵大統領の他に、サムスン電子会長を父に持ち、ホテル新羅を切り盛りする李富真(イ・ブジン)代表取締役社長が100位に選ばれています。

日本人はゼロ

気になる日本といえば…100位入りを果たした女性はゼロ。27カ国から様々な女性がラインインしたにも関わらず、日本人女性はまったく見当たりません。

日本女性が社会進出という観点で国際的にみて出遅れているということは、以前から世論調査や統計結果で明らかになっています。「男女格差」「子育てと仕事を両立しにくい環境」が主な原因として挙げられていますが、その一方で、女性側にも「出産後のキャリアは望めない」といった一種の抑制が意識下に刷り込まれてしまっている、というような印象も受けます。

女性が育児も仕事もバランスよくこなせる環境を創りあげ、男女ともに意識レベルから改革を果たせれば、いずれ「世界で活躍するパワフルな女性」が日本からも生み出されるのではないのでしょうか。

「2015年版世界でもっとも権力のある女性100人」トップ10は下記の通りです。


10位 ミシェル・オバマ(米国)-法律家 第44代合衆国大統領夫人

バラク・オバマ大統領の妻として、米国初のアフリカ系米国人ファーストレディに。名門プリンストン大学やハーバード法科大学院卒業後は、法律家として活躍していたエリート女性です。オバマ大統領との出会いも仕事絡みだったといいます。

9位 スーザン・ウォジスキ(米国)-You Tube CEO

2014年にGoogleの広告部門から傘下You TubeのCEOに就任。絵に描いたようなキャリアウーマンと思いきや、家の中では5人の子供の子育てもこなすパワーママでもあります。女性の権利として、産前産後休暇の促進を社会に呼び掛けています。

8位 シェリル・サンドバーグ(米国)-Facebook COO

米国務長官の補助役からGoogleの国際オンライン・セールス部門の副社長に転身後、Facebookのマーク・ザッカ―バーグCEOから引き抜きがかかった凄腕。Facebookを成功に導いたキーウーマンとして、2012年COOに就任しました。

7位 ジルマ・ルセフ(ブラジル)-第36代ブラジル大統領

若い頃に左翼のゲリラ活動に参加したのを皮切りに、政治の世界にドップリと関与した人生を送ってきた甲斐あって、2011年にはブラジル初の女性大統領に就任。2013年のブラジル抗議運動を始めとする批判的な世論にも凛とした姿勢を崩さない、「経済成長加速計画(PAC)の母」です。

6位 クリスティーヌ・ラガルド(フランス)-国際通貨基金(IMF)専務理事

政治家、弁護士など様々な顔を持つが、10代の頃はシンクロナイズド・スイミングの選手だったという意外な過去を持ちます。母国フランスでは女性初の財政大臣、ベーカー&マッケンジー法律事務所の所長、そしてIMFの専務理事と、「女性初の3冠王」を達成しています。

5位 メアリー・バーラ(米国)-ゼネラル・モーターズ(GM)CEO

自動車産業が盛んなデトロイト北部で育ち、米ゼネラルモーターズ研究所(現ケタリング大学)で電子工学を学んだ男性顔負けのパイオニア。GMの国際部門で副社長を務めた後、2014年女性初のCEOに就任しました。就任2週間後に起こった大規模リコール問題にも立派に対応する姿が、世界中の信望を集めました。

4位 ジャネット・イエレン(米国)-第15代連邦準備制度理事会(FRB)議長

名門イェール大学卒業後、ハーバード大学やハース・ビジネス・スクールなどで助教授、教授を務めた後、1994年FRBの理事に就任。その後もビル・クリントン第42代合衆国大統領の経済諮問委員長やサンフランシスコ連邦準備銀行の総裁の座を経て、2014年に女性初のFRB議長に任命されました。

3位 メリンダ・ゲイツ(米国)-ビル&メリンダゲイツ財団共同会長

夫であるビル・ゲイツ氏とともに2005年に設立した慈善募金団体、ゲイツ財団の共同会長として広く知られていますが、結婚前には計算機科学と経済学士号を取得したアカデミックな女性の代表です。大富豪というイメージとは裏腹に「可能な限り普通の生活」を好む、地の足のついたスタイルも好感度が高いです。

2位 ヒラリー・クリントン(米国)-アメリカ大統領候補

「クリントン米大統領の妻」という枠組みには収まらない、スケールの大きな女性として支持と反発を同時に集めています。結婚後も法律家としてのキャリアを築いていましたが、常にクリントン政権の頼れるアドバイザーとして夫を支えていました。2000年にニューヨーク州上院議員選で、ファーストレディとしては初の国政選挙出馬を果たしたのを機に、2008年、2016年と大統領選にも出馬しています。

1位 アンゲラ・メルケル(ドイツ)-第8代ドイツ首相

物理学者として活躍していましたが、1989年のベルリンの壁崩壊後、政治界に進出。2005年に史上最年少の連邦首相として就任して以来、現在も難民問題やエネルギー政策などに勢力的に取り組んでいます。お堅い政治家のイメージに反して、実は相当のサッカーファンだそう。

アジア圏からランクインした女性は下記の通りです。

■100位 李富真(イ・ブジン)(韓国)-アント・フィナンシャル・サービス・グループ、アリババ・グループ CEO

■98位 Jenny Lee(シンガポール)-GGVキャピタル 業務執行役員

■93位 Shobhana Bhartia(インド)-HTメディア 議長

■85位 Kiran Mazumdar-Shaw (インド)-バイオコン株式会社 創業者

■82位 姚晨(ヤオ・チェン)(中国)-女優、慈善家

■78位 周凱旋(Solina Chau)(香港)-Horizon Ventures 共同創業者

■71位 Elvira Nabiullina(ロシア)-ロシア銀行 知事

■69位 张欣(Zhang Xin)(中国)- SOHO 共同創業者、CEO

■68位 彭 麗媛(ポン・リーユアン)(中国)-軍人歌手 中国国家主席夫人

■62位 陳馮富珍(マーガレット・チャン)(中国)-世界保健機関 局長

■59位 Sheikh Hasina Wajed(バングラデシュ)-政治家 バングラデシュ首相

■43位 何晶(ホー・チン)(シンガポール)-テマセク・ホールディングス CEO

■35位 Chanda Kochhar(インド)-ICICI銀行 CFO、取締役社長

■33位 彭蕾(Lucy Peng)(中国)-アント・フィナンシャル・サービス・グループ、アリババ・グループ CEO

■31位 Sri Mulyani Indrawati(インドネシア)-世界銀行 取締役社長

■30位 Arundhati Bhattacharya(インド)- インドステイト銀行 取締役社長

■11位 朴 槿恵( パク・クネ)(韓国)-韓国大統領

DAILY ANDS編集部
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