前編 では、結婚費用や人生の三大支出、子育てにかかる費用などについて解説しました。後編の今回は、これらを踏まえ、マネープランからみたベストな結婚適齢期はいつなのかを考えていきます。

具体的に30歳で結婚したパターン、37歳で結婚したパターン、45歳で結婚したパターンの3つのケースでメリット・デメリットを検証してみます。

結婚年齢別からみるメリット・デメリットは?

検証する前に個人の考え方、生き方、経験、価値観などによって結婚適齢期は人それぞれあると思います。ここでは、マネープランからみた結婚適齢期を検証するにあたり、結婚後2年で子どもを1人出産、同じころ自宅を購入した場合のそれぞれの年齢別にみるメリット・デメリットをお伝えします。同じ条件でも、スタート年齢が違うことでのメリット・デメリットは変わってきます。それぞれの年齢別にはどんな違いがでてくるのでしょう。

①30歳で結婚したパターン

メリットはなんといっても老後までの時間が長いので長期的にマネープランを立てやすい点です。これは、年齢が若ければ若いほど言えることです。

結婚して2年後に子どもを出産し、子どもが大学に進学した後に就職する時期を23年後とすると、その頃の自身の年齢は53歳です。65歳まで子どもが独立し子どもにお金がかからなくなってから10年以上の時間があるので、不足している老後の費用を貯める時間があります。

デメリットとしては貯蓄が少ない可能性があるところです。30歳で結婚するまでの貯蓄が200万円ほどあったとしても、結婚費用や新居費用に充てると出産費用、住宅購入の頭金などを短い期間で貯めなくてはいけません。

出産するまでにできる限りお金を貯めたいので、新婚時代に海外旅行に行くなど贅沢はセーブしないといけません。

②37歳で結婚したパターン

37歳で結婚する場合のメリットは就職してからの期間も長いので結婚費用、出産費用、住宅購入の頭金など準備する時間があるところです。

仮に23歳で就職し結婚するまでの14年間で年間100万円貯蓄していけば1400万円の準備をすることもできます。1400万円あれば、200万円を結婚費用に使っても、残りを住宅購入の頭金にも充てられます。

デメリットでいうと、2年後に出産したいと考えれば39歳になり、子どもが自立する23年後の62歳から、65歳まで期間が3年しかない為、そこから老後の資金を準備となると難しい可能性もあるので、結婚前にできるだけ貯蓄しておきたいところです。

そうしなければ子どもの教育費がかかる時期に並行して老後の資金を貯め、住宅ローンの返済をしなければならず、50代の支出が大きくなります。また30代後半での妊娠になると、不妊治療を受ける人の割合も増えるので、不妊治療費がかかる可能性もあります。体外受精は自費診療で30万円~60万円ほどかかり、不妊治療期間、治療回数が重なると経済的負担は大きくなります。よって出産するまでに想定以上に貯蓄を多く取り崩す可能性はあります。

③45歳で結婚したパターン

45歳で結婚するメリットは何といっても準備期間が長いため大きく貯蓄できるところです。23歳から年間100万円貯蓄していれば2200万円になっています。

デメリットとしては、出産後、子どもの教育費、住宅ローン、老後の資金準備とお金かかる時期が一気に訪れます。また、子どもが独立する23年後には70歳になるので、出産前に貯蓄をしっかりしておきたいです。また45歳まで自由にお金を使えていたので、結婚後に急激に生活レベルを下げるのは精神的に辛く感じるかもしれません。よって結婚後に自分でも自由に使えるお金の資金を貯めておきたいところです。

結婚年齢によって資金準備のタイミングが違う

どの年齢で結婚をしても、教育資金、住宅資金、老後資金を準備するのは必要です。ただ結婚する年齢によって、資金が準備できるタイミングやマネープランの立て方は異なります。

もちろん結婚相手の経済力や貯蓄によっても変わってきますし、結婚相手と協力しながら2人で貯めていけるので結婚してからすぐにはもちろんのこと、婚約時期からマネープランについては話合うことができれば心強いです。

結婚相手に出会うタイミングは縁なので年齢別に計画を事前に立てるのは難しいですが、年齢別の結婚するタイミングでマネープランの立て方が違うことを知っておくことで独身時代の貯蓄の考え方も変わってきます。

全員に共通すること

若いうちに結婚したいと考える人は結婚前に貯蓄が少ないでしょうから結婚してからマネープランをしっかり立てれば安心です。仕事でキャリアを積み、趣味など好きな事を独身時代に十分満喫してから、結婚は遅くても良いなと考えている人は、独身時代にできるだけ貯蓄しておくことで、結婚後も無理しないマネープランが立てられます。

結婚するかしないか想像つかないなという人も、将来独身で過ごすことにしたとしても、老後資金の準備は必要なので、貯められるうちに貯めておくことは全員に共通しますね。

今関 倫子
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受ける。独立後は個人相談、執筆、セミナーを中心に活動。「 FP Cafe 」登録FP。

(提供: DAILY ANDS

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