zeimutyousa
(写真=PIXTA)

税務調査とは、国税庁や国税局、税務署による納税者の申告内容についての調査のことです。日本の所得税や法人税、消費税などは申告納税制度を採用しています。つまり、納税者自らが所得や税金を計算し、税務署等へ申告し、税額を確定させて納税するという方式をとっているのです。税務調査は、日本の納税者である以上、避けられない行事です。では、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

税務調査でみられるポイント

税務調査は、何気ない雑談から始まることが一般的です。ただし、世間話だからといって油断してはいけません。その世間話の一つ一つにも、きちんと目的があってなされているのです。不用意な一言がきっかけで納税額が増加することや、調査官の心証を悪くし調査期間が長引くことになることもあります。そこで、税務調査におけるチェックポイントをご紹介します。。

1. 帳簿、領収書、会計ソフトの中身

当然のことながら、書類やデータ類はチェックされます。その際、経営者のプライベートの支出が経費になっていないかどうか、経営者の生活費をどのように算出しているか、売上や仕入れの計上漏れや過大計上がないかどうか、領収書のないものについては実態があるかどうかを調べます。

2. 経営者の発言

先述の通り、冒頭におけるさりげない会話から既に税務調査は始まっています。何気なくとも、質問や雑談には意味があるのです。経営者の発言から、帳簿にはないお金の動きや、取引の事実を発見しようとしています。そのため、経営者は調査官に対する発言には常に注意をしなくてはなりません。

更に、調査官によっては従業員や経営者の家族に質問したり、会話をしてきたりすることもあります。このようにして、帳簿のウラを取っているのです。

3. 会社に置いてある物、置いてない物

チェックするものは帳簿や経営者の発言だけではありません。調査現場にある物やない物も細かくチェックします。

例をあげましょう。企業では、取引先から送られてきた社名入りのカレンダーを使用しているケースが多いものです。ですが、もし帳簿の記録にその会社名がなかったらどうでしょうか。調査官ならば「なぜ取引のない会社からのカレンダーがここにあるのか」と訝しみ、売上の計上漏れを疑うはずです。

また、会社の固定資産として帳簿に記載されている高級車が、会社の駐車場にないこともあります。この場合、「経営者の趣味で買った私用の高級車を脱税目的で会社資産としたのではないか」と調査官は仮説を立てるのです。

このようにして、調査官は帳簿のウラを取り、不当に税金を低くしていないかどうか、不正に還付を受けている項目がないかどうかを徹底してチェックしています。

税務調査に備えて日頃から注意すべきこと

税務調査官は、通常「不正な項目があるはず」を前提に調査を行います。つまり最初から納税者を疑ってかかっているのです。しかし、日頃から次のような準備さえちゃんとしておけば、税務調査が入ったとしても経営者は堂々としていられます。

正しく会計業務を行う

国税側からすれば当然あるべき姿ですが、日々の資金繰りを気にする経営者としては、「税金を1円でも減らしたい」というのが本音です。ですが、きちんと公私のけじめをつけること、そして本来の経営業務に集中することが、税務調査が来ても動揺しないためのポイントとなります。

ブログやSNSでの発言に注意する

営業活動やマーケティング活動の一環として、ホームページだけでなく、ブログやSNS(FacebookやTwitterなど)での発信を行っている経営者の方が増えています。これらは世間での認知を高め、クライアントやファンを獲得するために欠かせないツールですが、一方で税務調査官が事前に情報を集めるための外部調査の手段ともなっています。

クライアントやファンとの距離を縮めるため、経営者自身のプライベートを公開することもあるかと思いますが、行き過ぎた内容は、税務調査の際に問題になるかもしれません。インターネットツールでの発信の際は、その内容に十分注意しましょう。(提供: TRUSTAX

【関連記事】
初めての税理士選び あなたにぴったりなのは○○タイプ
企業収益改善のための年度初めの新習慣〜決算シミュレーションをしよう
会社の成功とは無関係?それでも作成したい事業計画書の意義と効果
こんなことまで頼めるの?税理士さんが行ってくれる意外なお仕事4つ
節税は会社を強くする お金の流れ、コントロールしませんか?