将来的に羽田空港と成田空港の役割の見直しも

今後も羽田空港の国際線が増え続ける場合、将来的に羽田空港と成田空港のお互いの役割が見直される可能性があります。理由は国内各地と海外各地の利便性改善です。ただ今、東京・大阪以外を発着する国際線は殆どなく、札幌・名古屋・福岡と言った準主要都市ですら世界10~30都市に向かっているだけ、その行き先は東アジア地域が多く、ロンドンやパリへ向かう直行便すら設定されていない有様です。これらの地域から海外各地へ向かう場合、成田空港で乗り継ぐにしても成田空港を発着する国内線が少なく、羽田空港で乗り継ぐにしても羽田空港を発着する国際線が少ないため、東京・大阪以外から海外へ向かうのが非常に不便です。一方、成田空港の国内線を増やすのは滑走路が2本では無理があります。また、新しく滑走路を増設するのも容易な話ではありません。

しかし、東京を発着する国際線を全て羽田空港に移行して、国内線を羽田空港と成田空港に半数ずつ割り振る場合、羽田空港で乗り継ぎしやすくなり、国内各地と海外各地を結ぶ利便性が改善します(それでも羽田空港で一回乗り継ぐ必要がありますが、バンコク等で乗り継ぐのと比べたら劇的な改善です)。今回の改正以前、羽田空港が国内線専用、成田空港が国際線専用になっていて、お互いの滑走路は4本と2本のため、国際線2に対して国内線4の割合になっていますが、これを羽田空港:国際線2+国内線2、成田空港:国内線2に変更するだけです。

なお、成田空港一帯は首都機能を部分的に遷都するのに丁度良い田園地帯が広がっています。今は国内各地からのアクセスに少々難がある様ですが、成田空港に国内線が発着する様になると大きく改善するはずです。

Photo:ANA B747 and B767s at Haneda by DearEdward