米大手銀行JPモルガン・チェースが定番のお堅いスーツとネクタイ勤務から一転。「ジーンズとスニーカーもOK」のビジネス・カジュアル(社会人にふさわしい服装)を導入し、大きな反響を呼んでいる。
金融業界もIT業界と親しくなってきており、その流れはFinTechと称されているが、ファッションでもIT業界に近づくのだろうか。
さすがにTシャツ出勤は即座に解雇
JPモルガンはすでに事業の大部分にカジュアル思想を取り入れていること、軽装で取引や商談に現れる顧客が増えたことなどを理由に、金融産業のイメージを覆す大胆な改革に踏み切ったという。
米メディアには、シリコンバレーのテクノロジー企業を訪問したジェームズ・ダイモンCEOが「(自社の)恐竜のような服装規定がほかの産業から孤立している感じた結果」とも報じられている。
スーツからビジネス・カジュアルへ切り替える企業が珍しくなくなったとはいえ、堅実な印象をウリにする従来の金融産業でのスーツ廃止は異例の改革だ。それも世界屈指のJPモルガンに勤務する23万人を超える従業員(投資部門を除く)が一斉に脱スーツとなれば、世間の反響はなおさら大きい。
しかしJPモルガンではすでに毎週金曜日はスーツの着用が免除されていたほか、ひと昔前と比較するとややリラックスした服装で勤務する従業員が目立ち始めていたという。
6月3日の社内メモではビジネス・カジュアルの採用が通達されたほか、「社内服装規定ガイダンス」が新ルールにあわせて改訂された。
今後スーツの着用はオプションとなるが、「顧客に接する場合は、それ相応に身だしなみを整えるように」と、ビジネスシーンと休日の違いに釘をさしている。つまり必要に応じてスーツを着用する機会もふんだんにある--ということだ。
ポロシャツ、カプリパンツ、キレイ系サンダルなどによる出勤は自由だが、ジーンズやスニーカーの着用はマネージャーの許可をとる必要があるなど、マネージャーに服装規定の判断が委任されている。「職場にふさわしくない」とマネージャーが判断した場合は、服装を変えてくるように命じる権限が与えられている。
露出の高い服装、スパッツ、スウェットパンツ、ビーチサンダルなどが絶対禁止の服装として挙げられているのは理解できるが、本場シリコンバレーとの決定的な差は「Tシャツで出勤した従業員は即座に解雇される」という点だろうか。
また顧客への印象を重視する投資部門は、従来通りのスーツ勤務となりそうだ。( FinTech online編集部 )
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