テレワーク,在宅勤務
(写真=Thinkstock/Getty Images)

在宅勤務を含む「テレワーク」が広がりを見せる可能性が出てきた。トヨタ自動車 <7203> では従業員の育児・介護支援と生産性向上の一環として、一定資格以上の総合職を対象とする在宅勤務制度の導入を検討。東日本大震災直後に急増したテレワーク人口はその後減少傾向にあるものの、国内最大手企業が取り入れるとなると、普及のスピードは再加速しそうだ。関連銘柄に注目したい。

トヨタが在宅勤務導入へ

情報通信技術を活用し、場所や時間にとらわれずに働けるテレワーク。在宅勤務のほか、移動時間に作業をする「モバイルワーク」、施設利用型勤務などがある。新しい雇用形態として注目され、震災で交通インフラが寸断されたことを機に、一気にテレワーカーが増えた。

国土交通省によれば、在宅テレワーカー(自営型を除く)の数は震災翌年の2012年の710万人がピーク。その後は500万人弱に落ち着いたが、それでも14年時点で震災前年の10年を約3割上回る。さらにトヨタによる在宅勤務導入が、他社にとってもテレワークの取り組みを促す材料となりそうだ。また、人口の都市部集中を避け、地方を活性化させたい国の方針にもテレワークは合致する。

政府は、週1日以上終日在宅で就業する在宅テレワーカーの割合を、20年までに10%以上(15年現在2.7%)に引き上げる目標を掲げている。IT専門調査会社のIDCジャパンでは、国内のテレワーク関連ソフトウエアの市場規模が、19年に14年比43%増の約2380億円まで膨らむと予想している。

在宅勤務でまず問題となるのが、外部への情報漏えいリスクの高まりだ。オフィスの外で仕事をすることは、それだけ情報の管理も難しくなる。その対策の一つとして、テレワーカーが社外で使用するPC(パソコン)の機能を最小限に抑え、処理の大半を会社のサーバー側で行う「シンクライアント」と呼ばれる技術が使われている。

ソリトン、デジDなど出番到来

シンクライアント構築の需要がテレワークの浸透によって高まれば、システム・ソフト業界には追い風。企業ネットワークのNECネッツエスアイ <1973> や、システムインテグレーター大手の日本ユニシス <8056> 、NTTデータ <9613> などが恩恵を受けそうだ。

小型の注目銘柄としては、ソリトンシステムズ <3040> やデジタルデザイン <4764> が有力。ソリトンは、社内PCの画面だけを圧縮・暗号化して転送し、外部PCやタブレットで操作できるシステムを展開。手元の端末にはデータが残らず、情報漏えいの心配はない。

デジDは、文字情報のデジタル変換を高精度で行うクラウド型デジタル化サービスを手掛ける。同サービスは、総務省が地方創生の一環として実施する「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」にも採択された。都市部の仕事を遠隔地でも変わらずにこなせる環境づくりに貢献していく構えだ。

このほか、クラウドによる端末一括管理サービスのオプティム <3694> 、Web会議などコミュニケーションサービスのブイキューブ <3681> 、通信分野を得意とするネットワンシステムズ <7518> などにも注目したい。(6月10日株式新聞掲載記事)

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