【プライベートバンカー(PB)の仕事について】

多くのプライベートバンカー(PB)は、お客様の資産管理を担っており、全体の資産(預金・証券・保険・不動産など)を把握し、最適な提言をすることが最も重要な仕事です。しかし、それだけでなく、大事なお客様の「こうして欲しい」という多岐に渡るリクエスト(日本の会社との提携、美味しいお店の紹介、必要な際には日本での合コンのセッティングまで)にはほぼ“何でも”対応しています。このようなRM(関係構築)を行うに値するお客様であれば“何でも”するように努めるというのが基本スタンスです


【商業銀行系PBと投資銀行系PBの違い】

「プライベートバンカー」のビジネスは、大きく分けて、商業銀行系か投資銀行系に分類できます。そのため、お客様が求められているものによって、どの銀行を使うのか、又は使い分けるのかが変わってきます。

資産の保全を求める人、取り合えずシンガポールにお金を置いておきたい人、もしくは不動産ローンなども付随して検討したい方などは、商業銀行系PB(例:シティ、BNP、シンガポール系のDBSなど)があげられると思います。

一方で、上記に挙げたような機能をそこまで重視せず、積極的な運用の提案を欲しいお客様はいわゆる投資銀行系PB(ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなど)を探すものと思われます。

商業銀行系PBは、投資銀行系PBと比べて積極的にお客様にリスク商品を勧めるのではなく、資産全体の収益率を5~8%に設定し、大儲けはしない代わりに「マーケットが大クラッシュしようとも、それ程傷は負いませんよ」というイメージです。

一方で、私自身も属する投資銀行系プライベートバンクは、積極的にお客様とコミュニケーションを図りながら、リスクを取りにいき、あらゆるマーケットチャンスを狙いにいきます。「預金で通貨を選択して保守的に」などとすることはあまりなく、例えば、欧州系の銀行が出している債券が割安であればアナリストがカバーしていなくても拾いにいきます。その一方で、日本の会社の中にも、中長期の投資に値するようなものがあれば、個別株で買いに行きます。こういったマーケットチャンスを世界中の株式市場、債券市場、為替市場、オプション市場、商品市場、クレジット市場…など多岐に渡る市場で探し続けています。