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(写真=PIXTA)

LINEの日米同時上場が決定した。東証には7月15日、ニューヨーク証券取引所には7月14日(現地時間)に上場する。時価総額は5880億円程度になると見込まれており、今年のIPOとしては日米ともに最大となる。上場市場は未定だが、東証1部の公算が高い。日本企業が日本とアメリカで同時上場するのは史上初となる。日本での証券コードは <3938> となった。

本稿では、LINEのIPOに関する詳細情報、LINEの事業内容や今後の展開、そしてLINE上場で利益を得るために今からできる方法をご紹介する。

LINEの上場スケジュール

上場に先駆けて、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券を主幹事に公募増資3500万株を行い、約980億円を調達する。日本国内での売り出しが1300万株、海外での売り出しが2200万株。海外比率のほうが高い。需要動向によってはオーバーアロットメントによる追加売り出しが525万株を上限に設定されている。有価証券届出書提出時における想定発行価格は2800円である。

LINEのIPOに関するスケジュールは以下の通りである。

  • 仮条件決定日 6月27日
  • 抽選申し込み期間(ブックビルディング期間) 6月28日〜7月8日
  • 公募価格決定日 7月11日
  • IPOの申し込み期間 7月12日〜13日

2年越しのLINE上場計画

LINEが最初に日米同時上場の申請をしたのは2014年。その後複数回に渡り上場が見送られていた。

上場見送りのわけは、親会社である韓国大手IT企業NAVER(ネイバー)社との関係にあるようだ。NAVERはLINEの87%の株を保有しており、買収防衛を狙って通常より議決権の多い株を持つことにこだわっていたため、LINEの上場が見送られていたものと見られる。

またLINEは、スマホゲーム「LINE POP」で使う「宝箱の鍵」といった課金アイテムが資金決済法で規制される「通貨」に当たるとして、関東財務局から立ち入り検査を受けていた。この件でまた上場が見送られることも予想されたが、LINEがアイテムの仕様を変更し通貨とならないようにした上で、払い戻しに備えた供託金を積んだため、上場への審査が進んだ模様だ。

2014年にLINEのIPOが噂になったときは、時価総額が1兆円に達するとの見方もでていた。2012年のFacebook、2013年のTwitterの上場の成功で世界的なSNS銘柄に過熱感があったためだ。

しかし当時と比べると、SNSの成長余地も小さくなってきているとの見方が台頭。Twitterは上場後株価が低迷している。SNS関連株の価値の世界的な低下傾向を受け、LINEの時価総額は約5880億円程度に落ち着いた模様だ。

いまさら聞けないLINEの事業内容と今後の展開

LINEは無料コミュニケーションアプリの圧倒的な集客力をベースに、コンテンツ、コミュニケーション、広告で稼ぐビジネスモデルを確立している。

LINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は昨年末に世界で約2億1500万人。前年同期比では18.8%増と伸び率はスローダウンしてきているものの、順調に増加している。利用者数のうち1.5億人は、日本、台湾、タイ、インドネシアの上位4カ国が占めるという。今回の日米同時上場は、グローバルでの知名度の獲得と海外での成長を見込んでのものであることは明らかだ。

SNSの最大手Facebook がMAU15億9000万人、Twitter は3億2000万人。LINEは世界的に見てもトップクラスの利用者数を誇る。

新規上場にあたって公開された有価証券届出書によると、2015年12月期の売上は1206億円(前期比39.7%増)、当期利益が75億円の損失(前期は純利益42億円)だった。赤字の理由は、「LINEの各種コンテンツの売上高や広告収入が好調に推移した一方で、スマートフォンデバイス上での課金による決済手数料やIP保有者に対するロイヤルティが増加し、また、事業規模拡大に伴う従業員数の増加および株式報酬費用により人件費が増加したほか、関係会社評価損等を認識したことによる」としている。

今後は、無料コミュニケーションアプリ以外のサービスにもさらに力を入れ、LINEアプリのプラットフォーム化を進める戦略だ。他サービスの例としては、キュレーションサービスの「NAVERまとめ」や、ニュースサイト「LINEニュース」などが挙げられる。

「LINEニュース」はすでにMAUが2200万人を突破した。12月に開始したばかりのライブ配信「LINE LIVE」も開始1カ月のユニーク視聴者数が1100万人を越えた。アルバイト情報の「LINEバイト」は応募から採用までをLINEで完結できる簡便さが受けて600万人を超えるユーザー登録となっている。

LINE上場で利益を得るために今から出来ること

LINEは2015年の郵政3社のIPO以来の大型IPOであり、話題になることは間違いない。IPO株は人気も高く、初値が公募価格を上回る確率が非常に高いため、知名度の高いLINEの抽選倍率は高くなることが予想される。

IPO株を購入するためには、証券会社から抽選に申し込むことになる。 今回のIPOで主幹事を務めるのは、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券だ。

ただこれらの証券会社からIPO株を購入するには普段からの取引が無いと難しい。そこで我々がIPO株を購入するには、ネット証券を活用すると良いだろう。今回LINEのIPO株を購入できるネット証券は、 マネックス証券 SBI証券 SMBC日興証券 カブドットコム証券 等である。

日本より先にニューヨーク証券取引所で初値がつく可能性が高いため、初値動向は海外の大手SNSのIPOが参考になるだろう。2012年にNASDAQ上場の米Facebookの初値は、公募価格38ドルを11%上回る42ドルで、時価総額は1,150億ドル(当時で約9兆円)。2013年にNYSE上場のTwitterの初値は、公募価格26ドルを73%上回る45ドルで、時価総額は318億ドル(当時で約3兆円)だった。

今回のLINEは大型IPOであり、一時のSNS人気に陰りがでてきていることからTwitter時のような熱狂は起こらない可能性が高いだろう。Twitterは、上場翌月に70ドル台の高値をつけた後下落に転じ、ほぼ右下がりのチャートとなり、現在は14ドルまで低迷していることも気がかりだ。

LINEのIPO株を購入する方法はこちらを参考にして頂きたい。

【関連記事】 LINEのIPO株の買い方を徹底解説

LINE上場で利益を得る他の方法

LINE株に投資しなくてもLINEのIPOで利益を得る方法はあるのだろうか?
【関連記事】LINE上場で利益を得る2つの方法

まず簡単に考えられるのが、韓国に上場している親会社のNAVER株を買うことだ。LINEは韓国のインターネットポータル最大手NAVERの子会社だ。韓国株を取り扱っているネット証券は SBI証券 。NAVER株はLINEの上場が伝えられた6月1日に68万7000ウォンだったのが、LINEの上場が承認されたと報じられた6月10日の朝は73万3000ウォンまで買われた。6月1日以来では6%以上の上げとなった。

ただ10日の株価は、朝高後上げ幅を縮小し、前日比変わらずの72万ウォンまで下げて引けている。LINEの評価が高まれば、NAVARの持ち分の価値も高まるため株価上昇を期待しても良いのではないか。

日本では、LINEの上場のニュースが流れるたびにLINE関連銘柄が物色される。上場正式に承認された6月10日には、アドウェイズ <2489> 11%高、ネットイヤー <3622> 10%高、メディア工房 <3815> 6%高、ネオス <3627> 5%高、エムアップ <3661> 3%高、などが買われた。

各銘柄とも全体の事業に対するLINE関連事業が占める割合には大きな差がある。LINE関連というだけで飛びつくのではなく、各銘柄の内容をよく精査して投資しよう。

ライン関連銘柄15選はこちらを参考にして頂きたい。
【関連記事】LINE上場!関連銘柄15選をご紹介

(ZUU online編集部)

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