Computer Circuit Board

2012年にもっぱらディアを賑わせたビックデータというキーワード。
数年前から話題になり、今はもう定着した感のあるクラウドに続くバズワードといわれています。
ソーシャルメディアの登場によるインターネットの利用の活性化や、センサーやカメラなどの感知機械の発展は、情報量の爆発的な拡大をもたらしました。この膨大な情報の活躍にビジネスチャンスがあるとの見方が、ビックデータに注目が集まっている背景にあります。

金融の分野においても、ビックデータの活用は注目されていますので、その利用例など交えて、ビックデータについての解説をお届けします。


◯そもそもビックデータとは?

ビックデータとは、インターネット上を行き交うデータなど、日々生み出される膨大(ビック)なデータのことを指します。
SNS上で生み出される会話や投稿などにより日常的な”つぶやき”がデータとして残るようになったことにより、インターネット上のデータの生成量は爆発的に増加しています。また、工場・家庭・オフィスなどには多くの機器が置かれていますが、それらのセンサーを通じて生産されるデータも、爆発的な増加を続けビックデータと呼ばれています。

このようなビックデータを分析し処理することで、従来では不可能だった詳細な現状分析や異変の察知、また未来の予測に至るまでをデータにより導き出そうという試みが、ビジネスでのビックデータの活用になります。

新しく進化の早い分野のため、経済や相場に与える影響は未知数ではありますが、ビックデータの活用が盛り上がった場合、 多くの関連分野に恩恵がもたらされるのでは と言われています。
例えばビックデータの利用には、 膨大な情報を処理し保存するため 、データセンターの効率的な運用が必要となります。そのために必要なサーバーや、ハードディスクなどの記憶装置、ネットワーク関連の技術を持つ企業には、恩恵が及ぶ可能性があります。
また、データや通信量の増大は、コンピューターウィルスやサイバー攻撃などの被害を拡大させる可能性もあるため、 セキュリテイ対策関連 の企業にも、恩恵があるかもしれません。


◯金融分野でのビックデータ利用の可能性

"情報"を取り扱うことの多い金融機関も、ビックデータの活用には積極的なようです。
その利用方法には、相場動向を分析するためにSNS上のキーワードの分析(自然言語処理と呼ばれます)をするなどもありますが、ここでは、特にリテール(一般顧客向けのサービス)での利用法に絞って、紹介したいと思います。

①顧客に対しての、お勧め機能やガイドライン機能の強化

この記事: ビッグデータを顧客満足度の向上につなげる=SBIホールディングス によると、SBI証券は、かなりビックデータの活用に関して積極的な様子が窺えます。

マネールックを使ってお客さまが、銀行、証券、保険などの口座を管理され、かつ、クレジットカードの利用履歴などを管理されているとすると、その行動履歴が残ります。そうすると、利用者の方のライフイベントが推察でき、そして、各イベントの折に、どのような金融サービスを利用・解約されたかが把握できます。このような情報を個人が特定できない形で、データとして蓄積していくことによって、様々な金融サービスが可能になります。

たとえば、子どもが生まれたら学資保険に入るといった行動がとられていますが、「忘れていた」ということもあるでしょうから、ライフイベントに対応した最適なサービス案内を自動的に行うというサービスが考えられます。あるいは、優先順位として何が大切なのかということを、客観的な事実情報に基づいて案内することもできます。マネールックで蓄積されている情報は、多くのお客さまの知恵の集合体ともいえるので、これを分析することによって、様々な気付きを提供することが可能になると考えています。

このような取り組みはビックデータの利用方法の一つで、顧客の行動履歴を分析し、過去の類似の行動履歴から導かれる相手のニーズに沿ったサービスをお届けしようという発想です。
Amazonで買い物をすると、購買履歴に合わせて画面にお勧め商品が掲載されますが、その発展版と言えるかもしれません。