女性,社長
(写真=PIXTA)

女性活躍社会ということで、2015年までの5年で女性社長が1.6倍に増えている。東京商工リサーチが調査を始めた2010年以降で、最も多い33万2466人にのぼり、少ない資本でも起業しやすいサービス業などの業種が目立った。

共働きとの相関性はなし?多い県・少ない県

企業数全体に占める女性社長の割合も増加傾向にある。第1回の10.16%以降、一度も数字を下げずに順調に増え、15年には11.87%に達している。個人企業を含む280万社の経営者情報から、病院・生協などの理事長を含む人数を抽出・分析している。

女性社長数を都道府県別にみてみると、人数の増加は人口の多さにほぼ比例している。最多は東京都の8万6274人(前年7万9880人)となった。以下、大阪府2万9472人(前2万7678人)、神奈川2万2626人(前2万598人)、愛知県1万5974人(前1万4898人)、埼玉県1万4008人(前1万2891人)と続いている。少なかったのは鳥取県1232人、島根県1328人、福井県1573人と前年から順位に変動はない。2010年度の国勢調査で、共働き率でこの3県は上位5位以内に入る高さだが、共働きと女性社長数にはあまり相関性はないようだ。

興味深いのは、女性社長率の上位20県のうち15府県が西日本である点だ。九州・沖縄6県、近畿4府県、四国3県、中国2県となった。一方で低比率だった岐阜県・新潟県・山形県などの地域には、1世帯平均構成人員が多いという共通点があった。同居している家族が多いと、家事や育児、介護などを女性が引き受けているケースが多いと考えられるためだ。それによって、女性が起業して仕事をする時間を取りにくいのだろう。