女性社長の中で最多は「和子」社長 世代交代の予兆も

一口に女性社長と言っても、年代は幅広く、それがよく分かるのが名前だ。女性社長の名前は6年連続で「和子」(4371人)がトップである。実は「和子」という名前、昭和初期から1952年ごろまで名前ランキングトップの人気だった。そんな当時のブームも見て取れる。「洋子」(3657人)、「幸子」(3615人)も、前年の順位をキープし、以下「裕子」「京子」「恵子」「久美子」の順だった。

今後は上位に「○子」以外の名前も入ってくるだろう。2015年は19位「明美」(1517人)、30位「由美」、36位「直美」、37位「真由美」がランクインし、世代交代の予兆が見られた。

実際に10代、20代の女性社長も増えている。中学3年生の時に起業し、その後「女子高校生社長」として名前を知られる椎木里佳さんは、1997年11月生まれの18歳。都内に事務所があるAMFを経営し、スマートフォン受けアプリの開発やイベント企画プロデュースなどの事業を展開している。父親は「秘密結社鷹の爪」の制作で知られる東証1部上場企業のDLE <3686> の社長だ。他にも、大学在学中に起業する女子大生社長も増えている。

中小企業では意欲のある娘を跡取りにするケースも

増加傾向にある女性社長だが、現在は中小企業や個人事業が中心で、上場企業においては全体のわずか1%にも満たない30社程度にとどまっている。産業別では、最も多いのが日本マクドナルドホールディングス <2702> や大塚家具 <8186> などの「小売業」だ。ネットイヤーグループ <3622> やトレンドマイクロ <4704> などの「情報・通信業」が各6社、そのほか化粧品メーカーを含む「化学」に5社ある。一方、同族企業が多い傾向にある中小企業では、能力と意欲の高い娘に継がせるケースも増えているという。

政府が掲げる「女性の活躍推進」をはじめ、女性のプチ起業を支援して創業融資実績が伸びている。自治体や金融機関の環境がさらに改善されれば、女性社長は今後も増え続けるだろう。経済を活性化させるためにも、女性の起業や経営への支援の充実に期待したい。(ZUU online編集部)