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(写真=PIXTA)

「マンションは管理を買え」という言葉があります。立地やグレード、設備仕様もさることながら、管理の良し悪しこそが資産価値を大きく左右するという意味です。これは、不動産投資の世界にも当てはまる格言です。いえ、不 動産投資でこそ、固く肝に銘ずべき「鉄則」といえるでしょう。

賃貸経営において物件管理の良し悪しは、入居率や家賃にダイレクトに影響します。管理ひとつで、収支計画や修繕計画が狂い、収益性や資産力を大幅に低下させてしまうこともあるのです。まずは、賃貸経営における管理について学びましょう。

賃貸経営の管理形態

賃貸経営には2つの管理形態があります。

● 自己管理
オーナー自らが管理する方法で、入居者の管理から建物の維持管理まで、外部に委託することなく自分で行います(入居者募集のみを不動産会社などに委託するケースもあります)。

管理委託費用が発生しないというメリットはあるものの、ノウハウがないと入居者との間でトラブルが発生することも多く、苦労の割には経済的メリットが少ないのが現実です。少なくとも、賃貸経営初心者にはお勧めできません。

● 管理委託
専門の管理会社などに管理業務を委託する方法です。賃貸管理には、入居者管理と建物管理があります。入居者管理は募集、集金、入退居管理などを代行してもらうものです。建物管理では、共有部分の清掃やメンテナンス、建物の修繕などを管理してもらい、建物の美観と資産価値を守ってもらいます。

また、入居者管理から建物管理まで丸ごと委託するのが「総合管理」、オーナーが主体となって入居者管理会社や建物管理会社へ部分的に委託するのが「一部委託」といわれます。

管理コストだけで見た場合、安い順に、「自己管理<一部委託<総合管理」となりますが、総合管理でも委託費用は家賃収入の3%~5%程度とあまり高くないので、ノウハウが豊富な管理会社に委託する方が賢明かもしれません。