国土交通省,2016年度先駆的空き家対策モデル事業
(写真=PIXTA)

国土交通省の「2016年度先駆的空き家対策モデル事業」。全20の採択団体を一覧で紹介する。

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各団体の取り組みの中で三重県名張市は非常にユニークな取り組みを始めている。

同市が今後行っていく対策は、ビッグデータを活用した、10年後の空き家発生地域の予測だ。具体的には、国勢調査を用い、市内の地区ごとに、現在の世帯平均年齢を算出。10年後の高齢者世帯予測を重ねて、空き家になりうる危険地域を地図上で表示するところだ。

すでに同市では、空き家4270件を地図上にピンポイントで落とし込み、管理がなされているか否かを3段階で表示している。そこに予測結果を重ね合わせて、空き家の発生予測の精度を高めたい考えだ。

さらに、その予測データをもとに、地域の空き家が発生する理由を分析。利便性の確保や施設整備をそのエリアで重点的に行い、地域の活性化を図っていく計画。その際に地元の不動産事業者と連携して、入居希望者がスムーズに転入できるようにする。

「現在8万人弱の人口も2040年には6万人まで減少する予測もあり、今後空き家が爆発的に増えると危機感を持っています。今回の取り組みを通して、空き家の発生を水際で防ぎたい」(都市整備部営繕住宅室・空家対策係西浦正人係長)

このほかにも、空き家を低コストで調査できる手法作りなどに取り組む東京大学空間情報科学研究センターや、地域特性を含めた空家管理マニュアルの作成を行う大和・町屋バンクネットワーク協議会(奈良県橿原市)など、ユニークな取り組みが採択されている。