Parking
(写真=PIXTA)

不動産売買市場では、タワー型の機械式駐車場付の土地や、機械式駐車場付の一棟マンションも流通しています。これらは、機械式駐車場の付属していないものより利回りが高く、一見お得感があります。

また、機械式駐車場は平置き駐車場と比べて、土地面積当たりの駐車台数を増やせるため、土地活用という観点でも有効です。

しかし、機械式駐車場では、乗用車という大型の機械を格納するために、毎日、何度も機械を動かします。正常な動作を担保するためのランニングコストや不定期の支出を考慮すると、実は機械式駐車場のない物件よりも割高となるケースも存在するのです。ここでは、あまり知られていない機械式駐車場のリスクについて取り上げます。

機械式駐車場の特徴とデメリット

機械式駐車場のメリットは、冒頭で触れた通り、土地面積当たりの駐車台数が平置き駐車場よりも多いことです。一方で、利用者側の視点で平置き駐車場と比べると、次のようなデメリットがあります。

1. 車の出し入れに時間がかかる
2. 駐車が難しく感じる場合がある
3. その場で簡単な洗車をすることができない

機械式駐車場のタイプによっては、車上荒らしや盗難などの被害にあいにくいなどのメリットもありますが、多くの人は、利便性の高さを重視するでしょう。機械式駐車場は、一定の土地に多くの台数を設置できるため収入アップを見込めますが、平置き駐車場と比べて競争力は劣ります。

オーナー側の視点からみて機械式駐車場は、平置き駐車場と比べ初期費用がかかる点や、設置後のメンテナンスに注意を払わねばならないという点でデメリットがあります。もし機械が動作不良を起こしてしまうと、その修理のために1日単位で車を使用できず、利用者に迷惑をかけてしまうことになります。そのため機械式駐車場の運営にあたっては、正常な動作を担保するため、定期的なメンテナンスに加え、些細な故障にもきっちり対応していく必要があるのです。

限られた土地面積の中で収入を高めることができる一方、競争力が劣りランニングコストがかかるのです。

平置き駐車場経営のメリット

また、平置きタイプ駐車場の経営は、機械式駐車場の経営と比べ次のようなメリットがあります。

1. 低予算で始められる
2. 経営が難しくない
3. 安定した現金収入が得られる
4. 転用が容易

極端な話、月極タイプであれば駐車場使用者と契約を締結するだけで、舗装や設置の有無にかかわらず即座に経営をスタートさせられます。もし都内に土地さえ持っていれば、何の設備がなくても1台当たり月3万円~5万円の収入を得ることも可能です。

また、コインパーキングの場合もハードルは高くありません。例えば、株式会社アップルパークでは、更地へのアスファルト舗装、コインパーキング用の機器設置などの初期費用を同社持ちで設置できます。また同社は、コインパーキングの利用頻度にかかわらず、毎月一定の賃料を保証するサービスも行っているうえ、事情によりコインパーキングを終了する場合は機器撤去を行ってもらうことができます。

このように平置き駐車場は、駐車場経営の最初から最後まで対応してくれる業者がいくつもあり、土地の有効活用を簡単に行えるという点において、有効な手段といえます。