マンションデベロッパーが機械式駐車場を設置する理由
都心のマンション開発において、タワー型の機械式駐車場を採用するケースがあります。マンションデベロッパーは、できることなら自走式駐車場を設置したいと考えますが、タワー型を設置しなければならない理由は、スペースがないからです。
東京都はマンションなど共同住宅の新築時において、規定台数分の駐車場附置を義務付ける条例があります。2014年4月1日に改正された東京都駐車場条例によると、共同住宅の新築時には、床面積350平方メートルに対して、1台の駐車スペースの確保が義務付けられています。
一方、近年の不動産マーケットにおいて、東京都はマンション開発を手掛ける土地がほとんどなく、デベロッパーが検討する開発用地の敷地面積は年々小型化しています。以前であれば200~300坪程度は最低でも必要とされていましたが、2014年頃からは最低100坪、2016年現在においては最低50坪程度の敷地面積から取り組むこともあるほどです。
このような敷地面積において駐車場附置義務をクリアするためには、マンションデベロッパーは、タワー型機械式駐車場を採用し、狭い面積の中で駐車スペースを確保するしかないのです。好んで採用しているわけではありません。タワー型機械式駐車場は、約15年を経過したあたりから修繕費用が増加し、老朽化が進むとリニューアル工事が必要です。分譲マンションの場合、毎月の管理費修繕積立金の高額化という形で跳ね返ってきます。購入を検討する方の中には、それを嫌う利用者も少なくありません。
機械式駐車場を設置するなら
土地の有効活用として、機械式駐車場を主な収入源として検討されるのでしたら、周辺に平置き駐車場がない、もしくは、駐車場ニーズが非常に高く、平置き駐車場だけでは需要を賄えないようなエリアであれば、一考の余地はあるかもしれません。
機械式駐車場はアパート、マンションやビルに付帯しての設置、つまりあくまで主となる賃貸物件が他にあり、その付加価値として設置するという形が望ましいです。付帯設備としてのものであれば、利用者の利便性も確保できるでしょう。(提供: 不動産投資ジャーナル )
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