ドローン市場の見通しとDJI

5月11日に発表された中国ドローン市場の近未来予測レポートによると、2025年の国内市場規模は750億元。内訳は、空撮および娯楽300億元、農林植保200億元、安全防犯市場150億元、電力巡検50億元、その他50億元となっている。宅配はその他扱いだろうか。

とにかく市場拡大を見据えた周辺環境の整備は急務だ。DJIはトップ企業として、これに積極的に関わっていく姿勢を打ち出している。

操縦訓練学校の設置と運営・ドローン保険の構築

DJIは北京にある民航管理局認証の無人機操縦員の訓練機構を運営している。また今年6月6日には、新たに「慧飛無人機応用技術培訓中心」の設立を発表した。場所は本拠地の深センで、敷地面積は1万平米を超える。まず農業植保飛行課程と修理課程からスタートし、安全防犯、捜索救助の課程などへ講座を拡大する考えだ。受講料は15日間で6500元である。

DJIでは2015年12月から、国内大手ネット保険各社と協調し、DJIケアという保険サービスを開始した。事故や故障に備え、修理期間に代替機を提供するサービスを付加し、修理に関わる運送費もDJI持ち。業界初の第三者責任保険で、掛け金から保障内容までドローン保険のスタンダード作りを目指している。

DJIは、市場を創出しながら世界一のシェアを獲得した、中国では“まれ”な企業である。中国市場の大きさに依存する他部門の世界一企業とは一味違う。学生起業はアメリカ的、技術者重視は日本的で、あか抜けた現代的な印象だ。業界発展余地の大きさとともに、今後中国で最も注目に値する企業だろう。(高野悠介、現地在住の貿易コンサルタント)

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