ローンの返済費用と所得税

賃貸する不動産をローンで購入する場合は、銀行からのローン返済が毎月発生します。この返済費用も諸費用として想定しておく必要があります。

ローンの返済形式には、「元金均等返済方式」と「元利均等返済方式」の2つありますが、一般的には後者の元利均等返済方式を採ることが多いです。

元利均等返済は、借入当初の期間は利息の返済割合が大きく、元金の返済割合は少なくなっています。しかし、年数の経過につれて利息の返済割合は少なく、元金の返済割合は大きくなります。それは、利息の計算時、元金の残金に一定の利率を掛けて行われるからです。

所得税の計算上は、ローンの元金返済分は経費にできませんが、利息返済分は経費として計上することができます。したがって、元利均等返済方式では毎月の返済額は同じですが、年々経費にできない部分が増加します。結果的に所得税が増加するということを想定しておく必要があります。この所得税の変化も、賃貸経営の諸費用を知る上で想定しておくことが大切です。

固定資産税と都市計画税

固定資産税とは、所有している土地や建物などに対して課税される税金です。都市計画税とは、市街化区域内の土地や建物などに対して課税される税金です。

固定資産税と都市計画税は、「固定資産税評価額」を基に計算されます。通常、固定資産税は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は0.3%です(軽減特例が適用される場合もあります)。例えば、2000万円の物件を所有する場合は、固定資産税28万円、都市計画税6万円が掛かることになります。

固定資産税と都市計画税の納税通知書は、不動産の物件が所在する市区町村から送付され、年4回に分けて納付する形になります。

まとめ

上記に挙げた不動産経営における諸費用のうち、管理費と修繕積立金は物件維持のために必要な費用であり、減らすのはなかなか難しいでしょう。固定資産税と都市計画税も同様です。

一方で、ローンの返済費用は交渉次第で金利部分を減らすことが可能です。管理委託費も管理会社との交渉や、ある程度の物件管理を自分で行うことで削減できます。そして所得税は、経費をできるだけ多く計上することで抑えられるでしょう。不動産経営で少しでも利益をあげていくためにも、減らせる費用はなるべく減らすというスタンスが大切です。(提供: 不動産投資ジャーナル

【関連記事 不動産投資ジャーナル】
平成28年度税制改正で規制が入る「不動産投資に関する消費税還付」とは?
日銀のマイナス金利が不動産投資に与える影響とは?
不動産投資の成否のカギは対象エリアでの賃料相場の把握
規制緩和でAirbnbでの空室運用が実現!?高稼働率の実現も夢ではない
ROIを自分で計算できるようになりましょう! 不動産投資の重要指標