IFA
(写真=PIXTA)

IFA(独立系金融アドバイザー)は資産運用の専門家です。個人投資家に資産運用のアドバイスをしながら、金融商品の売買仲介をすることができる人たちのことをそう呼びます。金融機関の営業方針に縛られたくないと考える個人投資家の支持を受け、急速に需要が高まっています。どうしてIFAに相談する人が増えているのでしょうか? 今回はその背景とIFAの活用術について考えます。

日本人は資産運用に不慣れ!?

昔から「日本人は資産運用に不慣れだ」と言われています。2016年現在、日本の個人金融資産は1,600兆円以上です。日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較(2015/12/22)』によれば、日本は52.7%が現金・預金で保有しています。他方、海外の現金・預金の比率は、米国が13.7%、ユーロエリアが34.4%です。いずれも日本より低く、特に米国との違いは3倍以上と顕著です。

米国の現金・預金以外の金融資産の内訳は、債券、投資信託、株式・出資金といった、いわゆるリスク性金融資産が51.7%、保険・年金準備金が31.8%、その他2.8%です。一方日本は、リスク性金融資産が16.6%、保険・年金準備金が26.4%、その他4.4%でした。つまり、日本と米国では、現金・預金とリスク性資産の比率が、ほぼ逆の状態にあるということです。「日本人は資産運用に不慣れ」と言う表現を裏付けるような調査結果といえそうです。

資産運用が下手なままではいられない

2016/2/16、日本の金融史上初めてマイナス金利が実施されました。これを受けて銀行は預金金利の引き下げを実施し、銀行によっては1年間100万円を預けていても、10円しか利息が付かないようなところも現れました。

長引く不景気で給与所得はなかなか増えず、少子高齢化で老後の年金受給額も減りかねない状況です。これまでのように会社と政府だけを頼りに、長年貯めた銀行預金と年金だけで暮らせる老後はないのです。今ある資金を積極的に利用して、現役世代から少しでも資金を増やしておく努力が求められています。その努力をした人としなかった人の間には、大きな差が生まれてしまいます。そのような状況から、IFAに対する需要が高まっているのです。